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Column 【イベントレポート】GRANDITユーザー会 2026~未来を共創する、進化へのロードマップ~が開催されました

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2026年2月25日に開催された「GRANDITユーザー会 2026」のイベントレポートを掲載いたします。データドリブン経営と次世代ERPの役割、ユーザー事例、製品ロードマップまで、進化への道筋を描いたイベント内容をまとめました。

2026年2月25日、「GRANDITユーザー会 2026~未来を共創する、進化へのロードマップ~」がオンラインで開催されました。製品誕生以来、多くの企業に支えられ、導入企業数1,500社を超えるまでに成長したGRANDIT。本ユーザー会では、データドリブン経営を実現するための次世代ERPの在り方をはじめ、実際の導入事例、そして今後の製品ロードマップまで、多角的な視点からその進化が共有されました。ここでは、当日の講演内容とともに、GRANDITが描く共創の未来をご紹介します。

開会のご挨拶

インフォコム株式会社 エンタープライズ事業本部 
GRNDIT事業部門 副部門長
石倉 努

GRANDIT事業部門 副部門長の石倉より、本ユーザー会にご参加の皆さまへご挨拶を申し上げました。製品誕生から20年以上にわたり進化を重ねてきたGRANDITは、導入企業数1,500社を超え、製造業や商社・卸、サービス業など幅広い業種で活用されています。人手不足の深刻化や法改正への対応、AIによる業務変革など、企業を取り巻く環境が大きく変化する中で、経営に求められるのは「スピード」と「柔軟性」です。そうした時代背景を踏まえ、GRANDITは機能を柔軟に組み替えられる「コンポーザブルERP」として進化を続け、お客様の成長を支える基盤であり続けるという決意が示されました。

【基調講演】AI時代のデータドリブン経営の核心と、次世代ERPが果たすべき役割

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
テクノロジーコンサルティング パートナー
梶浦 英亮 氏

基調講演には、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 テクノロジーコンサルティング ソリューションセールスリーダー パートナーの梶浦英亮氏が登壇されました。ERP領域で約30年にわたる豊富な経験を持ち、大規模な業務改革プロジェクトを国内外で数多く手がけてこられた専門家です。

講演では、「データドリブン経営の本質とは何か」を起点に、AIがもたらす意思決定の高度化、そしてAI時代における次世代ERPの役割について、多角的な視点から解説が行われました。

データドリブン経営の本質

梶浦氏はまず、企業価値を分けるのは「何を持っているか」ではなく「どう意思決定しているか」であると指摘しました。市場環境の変化が激しさを増す中で、経営に求められるのは意思決定の質とスピードの両立です。

しかし実際の現場では、「データが足りない」という声が多く聞かれます。ところが、販売・在庫・原価・受発注などの基幹データはすでにERP上に存在しているケースがほとんどです。問題はデータ不足ではなく、「どの意思決定に、どのデータを使うのか」という「問いの構造化」ができていない点にあると強調されました。

データドリブン経営とは、ダッシュボードを整備することではなく、意思決定そのものを設計することです。共通ルール、共通データ、部門横断での判断プロセスが整って初めて、データは経営の中枢で価値を生み始めるのです。

AIがもたらす意思決定の科学化、中堅企業のAI×ERP活用論

続いて、AI活用の現状と本質について解説が行われました。日本では生成AIの活用が個人単位の試行利用にとどまる傾向がある一方で、欧米では業務プロセスへの組み込みが進んでいる状況が示されました。

梶浦氏は、AIは単なる自動化ツールではなく、「より良く判断する力を組織全体に波及させる技術」であると位置づけます。熟練者の勘と経験を形式知へと変換し、誰もが一定水準の判断を行えるようにすることこそ、AIの本質的価値です。

その際、ERPデータは「AIの燃料タンク」となります。取引履歴やマスタデータが一元管理され、監査可能であることは、AIの予測精度や信頼性を左右する重要な要素です。中堅企業は、システム構造が比較的シンプルで、現場と経営の距離が近いという強みを持っています。だからこそ、AI×ERPの取り組みをスピーディに実装し、改善サイクルを回しやすい立場にあると示唆されました。

次世代ERPが果たす役割、実践ロードマップ

講演後半では、ERPの役割転換について語られました。ERPはもはや「過去を記録するシステム」ではなく、「未来をつくる参謀」へと進化しつつあります。

次世代ERPに求められるのは、データ統合基盤としての役割に加え、AIと一体で進化できる設計思想です。APIによるオープン連携、リアルタイム性、クリーンコアの維持、データガバナンスなどが重要な要件として挙げられました。

実践ロードマップとしては、まず「意思決定マップ」を描くことから始めるべきと説明されました。どの意思決定が経営にもっともインパクトを与えるのかを明確にし、必要なデータを棚卸しし、PoC(概念実証)を通じて成功体験を積み重ねる。そして最終的には、全社で一貫した意思決定モデルを構築することがゴールとなります。

ERP投資は単なるシステム更新ではなく、「経営のアップデート」への投資であるというメッセージが強く印象に残る講演でした。

本講演を通じて浮かび上がったのは、データドリブン経営の本質が「効率化」ではなく「意思決定の革新」にあるという視点でした。AIとERPは、それぞれ独立した技術ではなく、組織の判断力を底上げし、成長へとつなげるための両輪です。次世代ERPを企業知性の中枢として再定義することが、これからの経営における重要なテーマであるといえるでしょう。

【ユーザー事例講演】
導入事例をユーザー企業様/ベンダー/メーカーの3者で
ご紹介

ハビックス株式会社 経営管理本部 総務部システム課専任役 丹羽信二氏

日鉄日立システムソリューションズ株式会社 DXソリューション事業本部
GRANDITソリューション事業部 シニアマネージャー 小林 慶輔氏

インフォコム株式会社 GRANDIT事業部門 ソリューション営業部 副部長 東風平 朝章

本セッションでは、「データドリブン経営への変革 ~ハビックスが描く成長戦略とGRANDIT導入事例」と題し、ハビックス株式会社の丹羽信二氏、導入パートナーである日鉄日立システムソリューションズ株式会社の小林慶輔氏、そしてメーカー代表としてインフォコム株式会社東風平朝章が登壇しました。

素材メーカーから衛生用品メーカーへの事業転換を進める中で、基幹システム刷新に挑んだ背景と、その成果について語られました。

導入前の課題

導入前の課題について、丹羽氏は「月次決算に8営業日を要し、前月の収支が月の半ばにならないと分からない状況でした」と説明しました。また「午後に生産計画を入力すると、所要量計算の結果が翌朝になるなど、業務スピードにも課題がありました」と発言。迅速な経営判断が求められる中で、旧システムがボトルネックとなっていたことが明らかにされました。

システム選定にあたっては複数社を比較。「決め手は柔軟性とサポート体制でした」と丹羽氏は述べます。他社はパッケージ標準型が前提でカスタマイズ費用が不透明だった一方、「製造業テンプレートを活用しつつ、当社特有の工程にも対応でき、費用も明確だった点を評価しました」と語りました。さらに、Webベースのクラウド型である点も重視されたといいます。

GRANDITの導入

プロジェクトは順調に見えたものの、大きな転機が訪れます。小林氏は「当初予定から9ヶ月の延期を決断しました」と振り返りました。運用テストの段階で、例外処理を含めた操作習熟の課題や、生産計画システムの適合性問題が判明したためです。

延期という判断について丹羽氏は、「延期が決まったことで、かえって社内の意識が高まりました」と語ります。当初は現場の温度差もあったものの、危機感が共有され、要件が具体化。外部パッケージからフルスクラッチ開発へ方針転換するなど、実運用に即した形へと軌道修正が図られました。

導入の成果と今後の展望

稼働後の成果として、丹羽氏は「月次決算は6営業日まで短縮され、経営会議の数日前に報告できるようになりました」と説明。数字に基づく建設的な議論が可能になったといいます。

現場面でも効果は顕著です。「仕入伝票作成の自動化により、月末月初の残業がなくなりました」と丹羽氏は発言。さらに、所要量計算を任意のタイミングで実行できるようになり、発注までのタイムラグが解消されたと述べました。

今後については「蓄積されたデータを活用し、工場横断の原価管理や設備稼働データに基づくメンテナンス予測など、真のデータドリブン経営を目指します」と展望を語りました。

本事例は、単なる基幹システム刷新にとどまらず、事業変革を支える基盤づくりの取り組みでした。延期という大きな判断を経ながらも、関係者間で目的と課題を共有し、実運用に即した形へとプロジェクトを昇華させた点は、多くの企業にとって示唆に富む内容といえます。

ERPメーカーであるインフォコム代表として登壇した東風平も、「プロジェクトの目的や課題を関係者間で共有しながら成功に導いた好事例である」と評価したうえで、「今後のGRANDITはAIとの連携をさらに深め、お客様のデータ利活用を強力に支援していきます」と述べました。蓄積されたデータを活かし、真のデータドリブン経営へと進化していく取り組みに、今後も注目が集まります。

パートナー各社のGRANDIT連携ソリューション紹介

GRANDITは標準機能の高度化に加え、多様なパートナー企業との連携により、業種・業務特性に応じた拡張を実現しています。本セッションでは、各社が提供するアドオンツールや連携ソリューションが紹介されました。業務効率化や高度なデータ活用、周辺システムとのスムーズな接続など、GRANDITの可能性をさらに広げます。

ソリューション名・講演タイトル提供企業
CX改善プラットフォーム「UX Canvas」双日テックイノベーション株式会社
企業間取引プラットフォーム「DocYou(ドックユー)」日鉄日立システムソリューションズ株式会社
スマート Entry for GRANDITベニックソリューション株式会社
ノーコードと電帳法対応で変わるGRANDIT活用術株式会社システムインテグレータ
セキュリティリスクレポート/ゼロトラスト型セキュリティサービスNTTドコモソリューションズ株式会社
文書管理システム「MyQuick」/
帳票電子化・Web配信サービス「eco Deliver Express(エコデリバー)」
インフォコム株式会社

製品ロードマップ説明

インフォコム株式会社
GRANDIT事業部門 ソリューション企画室長 秋田 道仁

本セッションでは、インフォコム株式会社 GRANDIT事業部門 秋田より、V4の進化と今後の取り組みについて説明が行われました。急速に変化する市場環境の中で、ERPはどのような役割を果たすべきか。コンポーザブルERP「GRANDIT V4」のコンセプトと、AIを軸とした将来像が共有されました。

市場環境と課題~情報武装の必要性~

社会・経済環境の変化が加速する中、企業には「情報武装」が不可欠であると説明されました。サプライチェーン再設計や需給変動への対応など、意思決定には定量的な評価と迅速な仮説検証が求められます。しかし、業務の不明確さやデータ分散がボトルネックとなり、迅速な判断が難しいケースも少なくありません。

単に情報を収集するだけでは不十分です。リアルタイムでデータを収集・分析・共有できる統合基盤があってこそ、環境変化への適応力が高まります。こうした背景のもと、GRANDIT V4は「変化に俊敏に対応するERP」として進化を遂げています。

GRANDIT V4が目指す「コンポーザブルERP」とは

GRANDIT V4は「コンポーザブルERP」という考え方を中核に据えています。必要な機能をモジュール単位で組み合わせ、段階的に導入・拡張できる構造により、従来型ERPの課題であった長期導入・高コスト・柔軟性不足を解消します。

コアERPを中心に、アドオン開発や他社パッケージ、クラウドサービスとAPIで疎結合連携する設計思想が特徴です。

共通プラットフォームとAPI強化

V4ではWebAPIを大幅に拡充し、マスタ関連や伝票関連APIを整備。オンプレミス・SaaS双方との柔軟な連携を可能にしました。これにより、ERPを閉じたシステムではなく、企業全体のデータハブとして位置づけます。

ユーザビリティ刷新

UIも全面刷新されました。メニュー表示をタブ形式からリスト形式へ変更し、視認性を向上。検索条件の折り畳みや複数画面表示など、日常業務の操作性を改善しています。ERPの使いやすさは、データ活用の定着に直結する重要な要素です。

グループ統合と経営基盤強化

同一データ構造・操作性を持つGRANDITを基盤とすることで、グループ全体でのマスタ統合やBI活用を実現。内部統制や会計基準統一を支える経営インフラとしての役割を強化しています。

今後のGRANDIT V4「AIとの融合」

今後のロードマップでは、AIを中核とした進化が示されました。従来の「業務ロジックの集合体」から、「AIを活用した業務インテリジェンス」へとシフトしていきます。

AI基盤では、業務知識や業種固有の商習慣、会計知識などを集約し、API経由でERPデータと連携。ローコードによるUI構築や対話型エージェントを通じ、現場業務の効率化から経営支援までを視野に入れています。

ロードマップでは、API拡充、アーキテクチャ刷新、AI組み込みへと段階的に進化。最終的には自律化レベルの高度化を目指します。

本セッションを通じて示されたのは、ERP投資を「システム更新」ではなく、「経営基盤のアップデート」として再定義する必要性でした。GRANDIT V4は、情報武装を支える統合基盤として、さらにAIと融合しながら進化を続けます。企業が変化に俊敏に対応し、データドリブン経営を実現するための中核として、今後の展開に大きな期待が寄せられます。

あとがき

GRANDITユーザー会 2026では、データドリブン経営の本質から実践事例、そして製品ロードマップまで、多角的な視点でGRANDITの進化が共有されました。変化の激しい時代において、企業の競争力を左右するのは意思決定の質とスピードです。GRANDITはこれからも、お客様とともに進化を重ねながら、経営を支える基盤としてその役割を果たしてまいります。今後のさらなる展開に、ぜひご期待ください。

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