用語集

FTA

FTA(自由貿易協定)とは、特定の国や地域同士が関税や貿易上の障壁を取り除くことを約束する協定のことです。目的は、互いの貿易を活発にし、経済の成長を促すことにあります。
たとえば、日本と他の国が「お互いに関税を少なくする」協定を結ぶことで、両国のあいだでの輸出・輸入がしやすくなります。この協定を英語で Free Trade Agreement(フリー・トレード・アグリーメント)と言い、頭文字をとって FTAと呼びます。
一方で、FTAと対比されるのが「保護貿易」で、第二次トランプ政権が推進している、関税政策がこれにあたります。

1.「関税」とは?
関税は、外国から物を輸入するときにかかる「税金」のことです。
たとえば、海外から洋服やブランド品、自動車などを日本に持ち込むと、その国の商品には税金が上乗せされることがあります。

2.FTA締結のメリット
FTAを締結すると、特定の商品の税金(関税)がなくなったり、安くなったりします。
例えば、日本の自動車メーカーがアメリカに車を売るとき、関税が0%になると、現地での販売価格が安くなり、自動車がよく売れます。
日本の家電メーカーが韓国から電子部品を買うときに、関税がなくなると、仕入コストが下がり、利益が増えるといったメリットがあります。

3.FTAを使うには?
FTAは自動的に使えるわけではなく、企業がFTAのメリット(関税ゼロなど)を受けたいときは、申請や書類の準備が必要になります。
具体的には、日本で作られたことを証明する書類(原産地証明書)やFTAに沿ったルールの順守などがそれにあたります。

4.日本におけるFTAの現状
日本はこれまでにいろいろな国とFTAを結んでいますが代表的なものは以下のとおりです。

国・地域 協定名 特徴
EU(ヨーロッパ) 日EU・EPA 自動車や食品の関税が対象
ASEAN(東南アジア) 日ASEAN EPA アジアの国々と幅広い協力
RCEP(アールセップ) 東アジア15か国 世界最大級の貿易の枠組み

※EPA(経済連携協定)という名前が使われることもありますが、FTAとほぼ同じ意味です。