Web-EDIとは、企業間の電子商取引に不可欠なEDI(Electronic Data Interchange)を、Web技術を用いて行う方式のことを言います。
従来のEDIとの違いには、大きく以下の4つの特徴があります。
① 導入の容易さ
クラウドサービスとして提供されることが多いWeb-EDIは、Webブラウザで利用できます。従来のEDIを導入する場合は、既存のシステムや導入先PC環境の互換性を確認する必要がありましたが、そういったハードルが少なく導入がしやすいのが特徴です。
② 通信速度の高速化
従来のEDIでは、アナログ回線である一般の電話回線を用いてデータの交換をしていました。一方、Web-EDIの場合は高速なインターネット回線を用いることで、一度に大量のデータを送信した時にも、遅延なく処理できます。
③ コストの削減
Web-EDIはクラウドサービスとして提供される場合が多いため、専用システムの構築や導入が不要です。そのため導入コストが少なく、中小企業も導入しやすくなりました。
その他、ペーパーレス化やEDI導入までのリードタイムの短縮により、企業間の取引におけるトータルコストの削減にもつながります。
④ 通信の暗号化
Web-EDIでは、利用する通信網が電話回線からインターネット回線に切り替わります。そのため、高度な暗号化技術を施した通信回線を使ってデータの交換ができます。
大量にやり取りされる企業間のデータを、従来のEDIより安全な通信環境で送受信できるようになりました。
従来のEDIに比べて低コストで導入しやすく、セキュアかつ高速な通信が可能なWeb-EDIですが、実際に導入して運用していく時には注意点もあります。
それは、データを送受信する時のルールである「通信プロトコル」の確認です。
Web-EDIを導入するには、あらかじめ取引先と通信仕様を合わせる必要があります。
Web-EDIでは、使用する通信プロトコルが標準化されていないため、企業や業界によって使用される通信プロトコルが異なります。
Web-EDI製品を導入する場合は、自社の取引先との確認を進めながら、複数の通信プロトコルに対応している製品を選ぶのが望ましいでしょう。