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ERP概論

第四回 ERP製品の選定方法

企画の内容が承認され、ERPの導入が決まったあとは、導入するERP製品やシステム構築を依頼するシステムベンダーを選定することになります。連載四回目の今回は、ERP製品及びシステムベンダーの選定について解説します。

ERP製品とシステムベンダー

ERP導入に際しては、導入するERP製品を選定するだけでなく、システム開発を依頼するシステムベンダーについても併せて選定する必要があります。同じERP製品でも、複数のシステムベンダーが取り扱っており、得意・不得意の領域が異なります。
また、導入の進め方やユーザ企業との役割分担なども、システムベンダーによって違いがありますので、自社の要求に合致したベンダーを選定することが重要です。

ERP製品の分類

日本国内で購入可能なERP製品は数多くありますので、自社に合った製品を選定することは簡単ではありません。以下では、候補となるERP製品を絞り込むための2つのポイントについて説明します。

企業規模による違い

ERP製品は、導入対象の企業規模により、「Tier1(大企業向け)」、「Tier2(中堅企業向け)」、「Tier3(中小企業向け)」の3つに分類できます。Tier1の製品は、複雑な業務や組織構造にも対応し、大量の取引量を処理できる性能を有します。一方、価格は高額で、導入に要する期間や手間も多くなり、プロジェクトも大規模になります。
逆に、Tier3の製品は、それほど複雑な業務には対応できませんが、構造もシンプルで短期間・低価格での導入が可能です。
Tier2の製品は、その中間に位置するものです。まずは、自社の企業規模や業務の複雑性から、どのレイヤーの製品がターゲットになるのか、当たりをつけることが必要です。

得意領域の違い

ERP製品には、それぞれ得意領域があります。財務会計や管理会計など会計領域を中心に開発された製品や、製造工程や資材調達など生産管理領域を中心に開発された製品など、その製品の成り立ちにより得意領域が異なります。
また、卸売業/製造業/サービス業など、得意とする業種も製品によって異なりますので、対象業種も考慮して製品を選定する必要があります。多くのERP製品の中から、自社に合った製品を選択するためには、多くの時間と労力が必要になりますので、ERP導入に知見を持つ専門家にアドバイスを求めることも有効です。

選定の手順

ERP製品とシステムベンダーを選定するには、自社の要求事項を取りまとめて、システムベンダーに提案を依頼するための文書を作成する必要があります。この文書を「RFP(Request For Proposal:提案依頼書)」と呼びます。

RFPの作成

RFPには、以下のような項目を記載します。

  • プロジェクトの目的・狙い
  • 対象範囲(業務領域・組織)
  • 導入スケジュール
  • プロジェクト体制
  • 現状の課題と対応方針
  • 業務要件・システム要件
  • ITインフラ・セキュリティに関する要求事項
  • 提案依頼事項

RFPの記載事項で最も重要なのは、「業務要件・システム要件」の部分です。
プロジェクトが完了した時点で実現したい業務の姿、そのために必要なシステム機能を記載します。
システムベンダーは、RFPに記載された業務要件とシステム要件から、提案するERP製品が適合する部分、追加で開発が必要な部分を識別するので、直接的に見積金額に反映されます。

候補となるERP製品・ベンダーの抽出

次に、候補となるERP製品とRFPを提示するシステムベンダーを抽出します。
ERP製品については、Webサイトや書籍で情報収集できますし、専門家にアドバイスをもらうのも良いでしょう。前述したポイントなどを加味して、候補のERP製品を選択したら、その製品の導入を手掛けているシステムベンダーを探します。
候補製品ごとに、自社と同じ企業規模や業種の導入実績の多いベンダーを選びRFPを提示するシステムベンダーを決定します。RFPを提示するベンダーの数は5社から10社程度が一般的です。

提案内容の評価

RFPを提示するシステムベンダーが確定したら、各ベンダーにRFPを配布します。
その後、2週間から1ヶ月くらいの期間で提案書を作成・提出してもらい、各ベンダーの提案内容を評価します。
提案内容の評価には、提案書による書類での評価と、製品デモやプレゼンテーションによる評価があります。評価の最終段階では、製品デモやプレゼンテーションを通じての評価が必須ですが、全てのベンダーにプレゼンテーションの機会を設定するのは、期間的にも評価者の負荷的にも難しい場合が多いです。提案書の評価で3社程度に絞り込み、残ったベンダーに対して製品デモとプレゼンテーションによる評価を行うなど、段階的に選定を進める方法が一般的です。

評価のポイント

提案内容を評価する際には、”コスト”だけではなく、システム要件に対する”適合度”、導入に携わるメンバーの”経験や知識”、”提案力”なども含めて、総合的に判定します。

特に、システムベンダー側のプロジェクトマネジャー(PM)の力量は、プロジェクトの成否に多大な影響を与えます。
PMの評価で重要なのは、これまでのプロジェクト経歴です。導入対象の製品でのプロジェクト経験が十分にあるか、同様の業種・業務領域での経験を有しているか、などの項目をチェックします。

また、コミュニケーション能力も重要な評価ポイントです。
単に知識や経験を有しているだけではなく、多くのメンバーを巻き込んで、プロジェクトを推進するためのリーダーシップやコミュニケーション能力が求められます。

自社の事業活動において重要な役割を担う基幹システムの構築を依頼するにあたり、安心して任せられる会社・人材を選ぶことが、プロジェクトの成功に向けた最重要ポイントの一つです。

今回は以上になります。

次回は、「ERPの理想と現実」と題して、実際の導入企業におけるERP活用の実態やよくある失敗要因などについて解説します。

「第四回:ERP製品の選定方法」はここまでとなります。
第五回「ERP導入の失敗要因と回避ポイント」を是非ご覧ください。

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