ERPコラム

ERP導入を成功させるための、
プロジェクト推進方法その1

第1回目は、精度の高いプロジェクト計画の作成から適切な要員配置、もしもの開発遅延を挽回する方法といった、ERP導入プロジェクトに関する基本的なお話です。

プロジェクト目標は明確に

プロジェクト管理は、スケジュールとコストとスコープを明確にし、いつまでにERPを導入して業務を改善するのかを、まず目標立てることが大切です。
人員の段取りもつけなければなりません。そして、プロジェクト計画書などの上流工程に欠かせないドキュメント群を整備していきます。

ERPの導入は、全社を挙げてのプロジェクトになるため準備するべき資料も膨大です。しかし、上流工程をしっかり準備することは、後々のプロジェクトの仕上がりやスケジュールに大きく影響していきます。
どのようなプロジェクトマネジメント術を使い、どうやって進捗を管理していくかは、ERPシステムを導入していく企業の方針にもよるのですが、ウォーターフォール型で導入を進めていく場合、プロジェクト目標を設定するタイミングでの資料作りはとても大切なのです。

プロジェクト計画を精度の高いものに

そのプロジェクトの計画に根拠はあるのか、合理的な人員配置なのか、そして、人月計算になることが多い中、予算感は正しいのかなどを検討していく必要があります。
プロジェクトリーダーの指示にしたがい、なおかつプロジェクト責任者の承認を得て確実にプロジェクトを推進していきます。

早く自分の作業に着手したいという気持ちを抑えて、プロジェクト計画書などをしっかり仕上げていく必要があります。プロジェクト計画書は、リーダーや責任者だけが考えるのではなく、実際に現場で開発に従事するプロジェクトメンバーなどの関係者も、作成に参加してもらわなければなりません。

プロジェクトの精度を高めるためには

進捗を報告し合い、相談し、アイデアを出し合うメンバーを巻き込むことによって、より精度の高い計画書が完成でき、メンバー間の連帯も深まります。
主体的にERPシステム構築に参画してもらうためにも、計画書作成の段階でメンバーをアサインしていくことも、とても重要です。

どのようなメンバーをプロジェクトにアサインするかは、社内の調整も必要となります。また、多くのメンバーは多忙であり、どうやって時間を割いてもらうかも考えていく必要があるでしょう。

適切な要員調整と、適切な要員配置

コスト感だけでなく、メンバーの調整・アサインもプロジェクトの重要な仕事となります。オンプレミス型にする場合、システムのインフラに詳しい人員、サーバに詳しい人員、パッケージの追加機能開発に長けた人員、そして業務にたずさわる現場スタッフの声を入れる必要があります。また、テスト要員も必要です。

要員調整は、簡単なようで簡単でありません。システム導入の経験があり、優れたメンバーほど、他のプロジェクトにすでにアサインされている可能性が高いからです。ですが、ERPシステムの導入は、会社にとってとても大きな決断ですので、人員の面で妥協はできません。自社のメンバーが難しければ、協力会社などから、人材を出してもらうよう働きかけましょう。

もっとも重要なテスト工程

そして、インフラ、サーバ、パッケージ導入、現場スタッフなどの声を聞きながら、プロジェクトメンバーをアサインしていきます。
テスト工程もとても大切です。テスト工程は、ERP導入の上流工程において、正しい設計ができていたかどうか、妥当性を検証するフェーズでもあります。
とくにV字モデル型で開発しているときは、テスト工程の全工程はとても大切なものです。上流工程が終わったからと言って、息を抜かず、PDCAサイクルを回していくのが重要です。

問題は遅延の発生でなく、どう挽回するか

ERPシステムのプロジェクトは規模が大きくなる場合は、遅延する恐れも大きくなります。遅延の状況によっては予算と乖離してくる恐れもあるため、問題が発生したら、きちんと原因を把握する事が重要です。

開発が遅延する原因として、上流工程に問題があるケースが多く見られます。
要件定義が曖昧で、ERPシステムとして何を実現したいかが明確でないために、開発フェーズに至って、混乱が生じてしまうのです。しっかりと業務をヒアリングして、要件を定義していく必要があります。

最初から余裕を持ったスケジュールを立案することが重要です。万が一遅延が発生した場合、テスト工程を同時並行で行うなど、挽回策を講じる事が可能となるからです。

仕様変更が発生した場合

そして、突如として仕様に変更が発生することも、プロジェクトの遅延に大きく関係しています。仕様が変わってしまうと、また上流工程からやり直しになる場合もあり、変更の影響は大きくなります。ERPシステムの場合は、全社的なプロジェクトになりますので、少しの仕様変更、ERPシステムの全体の仕様に大きく関わってしまう恐れもあるのです。

その場合、業務内容もERPシステムの仕様も頻繁に変更が生じる恐れが想定される場合は、ウォーターフォール型ではなく、アジャイルなどを導入していくなど最も適切な開発手法を選ぶ必要があります。

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