シンギュラリティ(Singularity)とは、日本語で「技術的特異点」と訳されています。AI(人工知能)が進化していく過程で到来する人類の知能を超える特異点、またはAIがもたらす世界的変化の概念をいいます。
シンギュラリティは、1993年にアメリカの数学者でありSF作家のヴァーナー・ヴィンジが著作「The Coming Technological Singularity」において、「30年以内に人間は超人間的知性を創造する方法を生み出すが、人類の時代は終わりを迎える」と記したのが始まりだと言われています。
その後、2005年にアメリカの発明家であり人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイルが「2045年にシンギュラリティに到達する」と予測したことから、2045年にシンギュラリティを迎えるという説が最も有力だと言われており、これを「2045年問題」といいます。
シンギュラリティは未来予測の仮説に過ぎませんが、シンギュラリティが到来すると様々な変化がもたらされると言われています。
例えば、雇用の変化が挙げられます。シンギュラリティによって事務仕事などの単純作業を主体とする仕事の多くが自動化され、人間の代わりにAIが働くために雇用が減り、多くの人が失業すると言われています。また、自動化によって人件費が下がるとモノの値段が下がるため、大規模なデフレになりますが、これを契機に国が一定の金額を支給する「ベーシックインカム」が導入され、社会制度が大きく変わるという説もあります。