ERPコラム

2層ERPモデルの活用法

2層ERPのメリットとは?
2層ERPを採用すべき企業とは?
ERPの外部連携機能が実現するグローバル化とは?
2層ERPについて詳しくご説明します。

2層ERPとは?

2つ以上のERPが1つのERPを実現する

2層ERPとは、国際的な企業や、全国に展開する企業において、コアERPと2層ERPにわけて、ERPシステムを二段階導入する形態を呼びます。

多くの企業において、親会社とグループ会社では行っているビジネスが異なってきます。また、グループ会社間もそれぞれビジネスが異なり、完全に同じビジネススタイル、商習慣、商慣行であるケースは少ないのではないでしょうか。ビジネス環境が異なるのに、大規模なひとつのERPを導入してしまうと、グループ会社が親会社の導入したERPに業務を合わせる必要が生じ、生産性に響く可能性があります。 とくに、大規模にビジネスを展開している組織ほど、グループ会社の細かい業務の動きが、親会社との間にギャップを生じさせます。

より利益をあげるために効率化と、同時に生産性の向上を求めてERPシステムを導入したのに、できるのは資源の一元管理だけで、実際に現場で働く支店の動きが鈍ってしまえば、全体の生産性はかえって低下してしまいます。

そこで、考え出されたのが、ひとつのERPではなく、2階層でERPを導入するという2層ERPです。親会社がまず管理するのがコアERPと呼ばれるもので、グループ会社はまた個別にERPシステムを導入します。コアERPと、グループ会社のERPは、まったく違うメーカーのシステムでも構わないのです。

違うERP同士をつなぐ外部連携機能

では、どのようにして統合的にリソース管理を行うかというと、それは各ERP間のデータ連携、外部連携機能を使っていきます。ERPシステムはそれだけでサービスが閉じているわけではなく、他システムとの連携機能を利用し、ERP間でデータ連携を行います。

そうすることで、同じERPシステムを使わなくとも、同じようにリソースのマネジメントが行えるようになるのです。個別に開発されたERPシステムをグループ会社が使うことで、より柔軟に、自分たちの業務にあったシステムを選ぶことができます。いま、ERPはさまざまなベンダーがシステムを開発しており、多種多様な業務形態に合わせたパッケージが発売されています。それらのうち、自社にもっとも合うものを導入することで、業務は効率化され、グループ企業全体の生産性も大幅に向上するのです。

このように、2段階でERPシステムを運用していくのが2層ERPです。

グローバル化に伴うERPのニーズと課題

2層ERPのメリット

経済環境の垣根がどんどん払われ、先進国同士の競争は激しく、新興国も経済的に豊かになり、グローバル化が進んでいます。それと同時に、さまざまな国に進出する企業が増え、国際化する企業も後を絶ちません。しかし、グローバル化で経済が均質化しても、社会にはその地域ならではの商習慣があります。

たとえば、2層ERPを導入している企業の中には、グローバル企業も数多く含まれます。親会社が国際的に知名度の高いERPを導入しているものの、それが日本の商習慣とフィットせず、高額な保守費用ばかりがかさんでしまう、などの事例が散見されます。

そんなとき、2層ERPを使って、データ連携しつつも現地の商習慣に合致したEPRを使用することで、ビジネスの自由度が高まり、また迅速に展開することが可能となるのです。

GRANDITでは、マスタ連携も容易なため、親会社が海外パッケージを利用していても、対応できます。そして国内の企業においても、海外拠点が増えて現地対応が必要な場合でも、スムーズにシステムを導入できます。これが2層ERPのメリットの大きな特徴であり、ローカルに特化したERPを導入することを薦める理由でもあります。

1つのERPでグローバル化を対応するということは

リソースを一元管理したいというニーズは、経営資源最適化を求める経営層には、常にあります。ですが、それをひとつの大規模ERPシステムで解決してしまうのは、現実的なソリューションではないのです。

海外は、政情不安定な国もあり、何らかの緊急事態によって、ただちに海外支店をクローズして撤退しなければならないケースもあります。グローバルに展開する大規模なERPシステムを導入していると、その分だけ身動きが取りにくく、スピード感が落ちて事態が悪化する事も考えられます。

このグローバル化の時代に、ERPシステムを大規模に導入して、統一したシステムの元で業務を推進することは、経営判断上の重しになることもあるのです。経済環境や政治状況、治安などが代わりやすい昨今、2層ERPでフレキシブルにニーズに対応するということは、非常に重要なことでもあるのです。

2層ERPモデルを採用すべき企業とは

業務がローカルに最適化された支店・支社をもつ企業

日本国内で、全国で同じようなビジネスを展開し、均一化されたビジネス手法で業務を推進している企業は、一見すると2層ERPシステムを導入する必要はないように思えるのですが、実はそうした企業こそ、効果があります。2層ERPモデルを採用するべき企業は、全国展開していて、地方の企業と合同で事業をしていたり、ローカルで小さなビジネスを行っていたりする組織です。大企業に限らず、中堅の企業であっても、ビジネスを俯瞰で見てみると非常に複雑化している企業は数多くあります。そうした、事業モデルが多岐に渡り、関わっている人数も多種多様な企業、とくに支店の業務がローカルに最適化されており、本店から把握がしにくいと感じている企業などに、2層ERPモデルが適しています。

2層ERPの活用でよりスピーディーな対応が可能に

ERPによって、ヒト・モノ・カネ・情報の一元管理が可能になります。日本中の経済がどんどん均質化されると同時に、地域の独自性も並行して強くなっていく時代です。経済環境、政治の政策、日銀の動向、ローカルニュースなどでビジネスを取り巻く環境は急変します。ネガティブな事情だけでなく、現地企業とのスピーディな提携、ということも考えられるでしょう。そんな時、ローカルの変化にも対応できるシステムが求められます。2層ERPモデルなら、会社規模、業態などを絞ったERPパッケージを導入していくことができるため、小回りが効きます。なおかつ、親会社はコアERPに合わせたデータがグループ会社のERPシステムからデータ提供されるため、一元管理も可能です。

親会社のコアERPと、グループ会社のERPは、別のパッケージだったとしても構いません。データ連携において、子会社のERPシステムが本社のコアERPにデータフォーマットを合わせれば良いのです。それによって、ひとつのERPを適用した時と同種の恩恵を受けることができます。

競争が激化し、スピーディな対応が求められる昨今、規制などに柔軟な対応を行って、マーケットの要求に応じていくには、2層ERPは選択肢のひとつになります。業務の手続きを統一化するだけでなく、どんどんIT化して行く必要があります。また、透明性の確保も重要です。そんな環境のなかで、2層ERPは、非常に求められているソリューションです。

2層ERPには、クラウド型とオンプレミス型があります。どちらもメリット、デメリットがありますが、状況に応じて使い分けると良いでしょう。クラウド型ERPについては、また別のコラムで説明していきますが、ブラウザにログインするだけで、世界中のデータがリアルタイムに見ることができます。オンプレミス型はクラウド型に対して、セキュリティ面での優位性があります。オンプレミス型は他システムとも連携しやすく、ERPには比較的向いているといえるでしょう。

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