ハイブリットクラウドはあり?なし?

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ハイブリットクラウドはあり?なし?

ハイブリッドクラウドとは、オンプレミス、パブリッククラウド、プライベートクラウドなど、複数のコンピューティング環境を組み合わせて利用するクラウドシステムで、各環境の強みと弱みを補完し合い、自社に最適なITインフラ環境を実現することができます。

例えば、ハイブリッドクラウドの活用例としては、次のようなものがあります。

  • ERPなどの基幹システムへの採用
    ERP(Enterprise Resources Planning)システムは、企業の基幹業務を統合的に管理する重要なシステムです。近年、ERP環境にハイブリッドクラウドを採用する企業が増えています。
    例えば、M&Aなどによって急速に事業拡大を行う場合、買収した子会社のシステム環境をクラウド環境上に構築することで、事業拡大に合わせ迅速な環境構築が可能になります。
    一方で、全社集計データなどの機密性の高いデータを取り扱う場合には、データをプライベートクラウドやオンプレミスに配置することで、セキュリティの確保や運用コストを最適化できます。
    このように、ERP環境にハイブリッドクラウドを採用することで、柔軟性、拡張性、コスト最適化、セキュリティ向上など、多くのメリットが得られます。
  • データ分析、データ活用への採用
    大量データをクラウドで利用する場合、利便性や拡張性など多くのメリットがありますが、同時にいくつかの考慮点もあります。
    大量データをクラウドに保存する場合の情報漏洩リスクや大量データを長期間保存、データ分析などを頻繁に行う際に、クラウド利用料(ストレージ費用やネットワーク費用)が嵩む可能性、大量データへのアクセス集中や処理に時間がかかるなどがあり、対策としてパブリッククラウド/プライベートクラウド/オンプレミスを適宜使い分ける場合があります。
  • BCP対策
    BCP(Business Continuity Plan)とは、企業が事業を継続するための計画です。地震や台風などの自然災害、感染症の流行、システム障害など、予期せぬ事態が発生した場合でも、事業を中断させずに、または中断しても速やかに復旧できるように、事前に計画を立てておくことが重要です。
    ハイブリッドクラウドをBCP対策に活用することで、データをオンプレミス環境とクラウド環境に分散して保管し、一方が被災した場合でも、もう一方の環境で事業を継続することができます。また、平常時にはバックアップ環境を停止しておき、必要な時に必要な分だけクラウド環境のリソースを利用することで、コストを削減できます。

このように、ハイブリッドクラウドは、企業のニーズに合わせて柔軟にIT環境を構築できるため、様々な分野で活用。ご紹介した例以外にも、企業の規模や業種、業務内容によって、様々な活用方法が考えられます。
ハイブリッドクラウド導入を検討する際は、自社の課題や目的に合わせて、最適な構成を検討することが重要です。

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