業務管理とは?概要やメリット、導入を進める上でのポイントについて解説|コラム・業界ニュース|未来を見る統合型クラウドERP「GRANDIT miraimil」

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現代はシステムの導入により企業規模に関係なく業務管理の抜本的な改革が可能

本記事のまとめ

  • 業務管理は効率的に自社のビジネスを推進していく上で重要
  • 最適な業務管理の仕組みを構築するためのシステムが数多くリリースされている
  • 業務システムは技術の発展により、規模に関係なく導入が可能

「業務管理」とは、業務を効率的に進められるように、企業が保有するリソースを管理することです。業務管理に関するソリューションの発達に伴い、特にERP関連のシステム導入で改善に取り組む企業が増えています。一昔前までは、業務管理関連のシステムの導入は非常にコストがかかるため、資金が豊富にある大企業でなければ難しいとされていました。しかし、現在ではクラウドのような技術の躍進により、中小企業でも容易に導入することが可能です。
適切な業務管理の仕組みを構築できれば、自社のあらゆる業務を効率化でき、生産性向上や利益拡大につながるでしょう。本記事では、業務管理の概要や進め方のポイントについて解説します。

目次

1. 業務管理とは?

業務管理とは、業務を効率的に進めるために、会社が保有するヒト、モノ、カネ、情報などのリソースを適切に管理することです。ビジネスにおいて競合他社よりも優位に立つには、業務管理の仕組みが整っていることがポイントであり、どの企業でも力を入れて取り組む必要があります。しかし、構築すべき業務管理の仕組みは企業によって異なるため、非常に難しい課題でもあります。

業務管理の手段は様々です。業務に関するルールをまとめたマニュアルを作成する方法もありますが、現代ではシステムを導入して業務管理の仕組みを構築する方法が一般的となっています。ただし、対象となる業務は企業によって異なるため、自社に適切な方法で業務管理を進めていくことが大切です。たとえば、製造工程、納期、顧客など自社が展開する製品やサービスを供給する上で直接関わるものから、会計、勤怠、購買など会社を運営していく上で必要になるものまで、業務管理の対象となるものは多岐にわたります。

業務管理のメリット

適切に業務管理を行うことができれば、業務を効率化できる、働きやすい環境になる、適切で迅速な経営判断につながるなど、企業側も従業員側も多くのメリットを享受できます。

メリット1:効率的なリモートワークの導入

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの企業においてリモートワークの導入が進みました。しかし、リモートワークの導入には以下のような課題もあります。

  • 同僚とのコミュニケーションが難しくなり、仕事が非効率になる
  • 勤務時間とプライベートの時間を区別しづらく、長時間労働やストレスの原因となる
  • 情報漏洩などセキュリティ面でのリスクがある

これらの課題は、自社に合う業務管理を検討する過程で解決できる可能性があります。例えば、業務管理をサポートできるシステムを利用すれば、自宅で仕事をしている従業員がセキュアな状態で社内の従業員と円滑に連携できる仕組みを作れます。また、システムの導入により、仕事の効率化や見える化も可能です。

メリット2:ヒューマンエラーの削減と従業員のモチベーション向上

業務の進め方やルールが決まっており、定期的に行わなければならない作業もあります。定期的に必要な作業や単純な作業は、従業員のモチベーション低下につながりやすく、ヒューマンエラーが発生するリスクも高いです。

このような課題に対応できることも、業務管理を導入するメリットといえます。たとえば、単純な繰り返し業務をシステムにより自動化することで、ヒューマンエラーを回避するとともに、従業員は創造的な仕事により多くの時間を費やせるようになるでしょう。自動化できる作業は状況によって異なりますが、支払業務や連絡業務、書類確認業務など数多くの業務に対応できます。

メリット3:経営者・管理職の意思決定の最適化

業務管理は、企業が自社ビジネスの方向性を選択する際にもプラスに作用します。経営者・管理者は、ビジネスを推進する上で必要な意思決定を、迅速かつ適切に行えるようになります。例えば、ERPシステムを導入して社内の業務情報を一元管理することで、営業状況や財務状況など意思決定に必要なデータをリアルタイムで収集・分析できるようになります。

2. 効果的な業務管理導入のポイント

業務管理導入の手段

業務管理を導入または改善するための手段は、企業や対象となる業務によって異なります。そのため、どのような方法が最適なのかを従業員やコンサルタントと相談しながら進めなければなりません。たとえば、マニュアルの作成も業務管理の手段の一つです。具体的には、日常業務のToDoリストやチェックリストを作成して実行する方法で、費用がかからず業務の漏れを防止する効果が期待できます。しかし、これは少し古い方法といえます。IT技術が発展し、業務を効率化できる多くのツールが開発されている現代においては、システムを導入する形での業務管理が一般的です。システムを活用すれば、「業務の自動化」「ヒューマンエラーの防止」「自社ビジネスの状況のリアルタイムでの可視化」など、様々なメリットを得られます。その結果、働きやすい環境の構築や業務効率化、迅速で適切な経営判断の実現につながるでしょう。

業務管理導入の進め方

では、業務管理を効率的に導入または改善していくには、どのような手順で進めていけばよいのでしょうか?企業の考え方や状況・対象となる業務などによって多少異なるものの、一般的には以下のプロセスで推進していくことになります。

  1. 現在の業務を洗い出す
  2. 洗い出した業務に問題点がないか調査する
  3. 問題が発見された各業務に対し、改善方法を検討する
  4. 検討した改善を実行する場合に必要なコストや期間を見積もる
  5. 優先順位をつけ、最終的に対応する業務を判断する
  6. 検討した業務管理方法を導入する
  7. 導入後に得られた効果を評価する

特に、業務の手段を多角的に考えることがポイントです。既存の業務を洗い出して改善方法を検討すると、「実はそもそも必要のない業務だった」「システムを導入すれば簡単に自動化できるものだった」「しっかりとマニュアルを整備すれば誰でもできるものだった」など様々な結果が起こり得ます。一つの課題に対して考えられるソリューションは、複数あることがほとんどです。考えられるすべての方法を洗い出した上で、期待される効果・コスト・期間など様々な観点から検討し、自社に適した方法を選ぶとよいでしょう。

3. 様々な業務管理の仕組み

業種や業務に合わせて様々な仕組みが考案されています。企業はこの仕組みを参考にして自社の業務管理を検討する場合が多いです。

ERP(Enterprise Resource Planning)

企業が保有するリソースを一元管理することができる仕組みです。企業が保有する人、モノ、カネ、情報を管理し、効率的に使用していくことができます。たとえば、業務を自動化することで、ヒューマンエラーを防止することや、従業員が力を入れるべき創造的な業務に多くの時間を当てられるようになります。また、企業の営業状況、財務状況など様々なステータスをリアルタイムで可視化することで、経営者が迅速かつ適切な判断を行えるようサポートします。

MRP(Material Requirements Planning / Manufacturing Resource Planning)

商品を製造するために必要な材料や部品を調達するための仕組みになります。製造業務に柔軟性を持たせることや、より生産性が高く利益が出やすい仕組みを作ることが可能です。製造プロセスの品質向上と、原料費、人件費を最小限に抑えることができます。

SCM(Supply Chain Management)

商品やサービスの共有プロセスを管理する仕組みです。原材料の調達から最終的に完成された商品となり顧客に届くまでの全てのプロセスを管理します。ターゲットとする市場での競争力の強化、および顧客への付加価値を最大化することができます。企業が負担するコストを削減し、顧客に商品が届くまでの時間を短縮することが可能です。

CRM(Customer Relationship Management)

クライアントとのコミュニケーションを最適化していくための仕組みです。顧客とのやり取りが発生する度にその内容を記録し、そのデータを活用する形でそれぞれの顧客に合わせた適切な対応を取ることができます。この仕組みを適切に導入できれば、企業はクライアントのニーズに継続的に応えていく環境を整えることが可能です。

PDM(Product Data Management)

製品に関する設計や開発のプロセスを管理するための仕組みです。製品情報、バージョン、製品への仕様変更依頼、などを管理することができます。技術者の作業負荷の軽減やヒューマンエラーを防止する効果があり、製品開発の生産性を向上させることが可能です。また、他の開発者との仕事での連携やノウハウの共有をサポートする仕組みを構築する上でも役立ちます。

PLM(Product Life-cycle Management)

製品やサービスのライフサイクルを管理する仕組みです。製品を企画してから最終的に廃棄するまでの全ての過程と情報を管理します。製品の品質向上やコスト削減などに有効です。

4. 業務管理のシステム

適切な業務管理の仕組みを実現するためのシステムについて解説します。業務管理のシステムは非常に需要が高く、多くのベンダーから幅広い業務や領域に合わせた製品がリリースされています。同じような名前のシステムであっても、ベンダーごとにサポートする領域が異なる場合も多いため、想定の業務管理に対応できるかどうかをベンダーに確認した上で導入することが大切です。

財務会計システム

財務会計の業務をサポートするシステムで、社外向けの会計書類の作成が可能です。おもに取引、債権、債務を管理します。会計関連の業務を自動化できる機能などが実装されています。

管理会計システム

管理会計の業務をサポートするシステムで、社内向けの会計処理が可能です。経営判断の材料として活用されるもので、品目、取引先、国などの分類ごとに利益を分析して評価できます。

購買・在庫管理システム

購買業務や在庫管理業務をサポートするシステムで、会社が製品やサービスを作るために購入する原材料や部品、商品、備品などの管理ができます。見積を出す、購入するモノを決める、社内で承認を取る、といった購入プロセスの管理も行います。

物流管理システム

物流の業務をサポートするシステムで、顧客への商品の発送プロセスなどを管理できます。モノを適切なタイミングで適切な拠点に搬送する仕組みづくりに役立つでしょう。また、倉庫内での作業や配送ルートなどの管理も可能なため、物流の質を高めることができます。

人事、勤怠管理システム

人事管理業務をサポートするシステムで、社員の情報や仕事に対する評価を管理できます。例えば、従業員が過去に経験してきた仕事、持っているスキルや資格、遅刻や欠勤の回数などの勤怠状況などを管理します。会社の各プロジェクトや業務に対し、適切な人材配置が行えるようサポートする機能が備わっています。

顧客管理システム

顧客を管理できるシステムです。見込顧客や新規顧客、既存顧客それぞれの状況や個別のニーズに合わせて、適切なコミュニケーションが取れるようサポートします。また、セグメンテーションを行い、適切な顧客層に適切なプロモーションを実行できる機能も実装されています。

5. 中小企業が業務管理を行う上でのポイント

従来、システム利用による業務管理は、大企業でなければ難しいとされていました。企業向けのソフトウェアは高額なものが多く、資金力がないと予算を組むのが難しかったことが主な理由です。

しかし、技術の発展により、最近では小規模な企業でもシステムの導入が可能となりました。実際に、数多くの中小企業が、IT技術を活用した業務管理の導入や既存業務の抜本的な見直しを行い、ビジネスに新たな付加価値を見出せるようになってきています。

このような変化には、低予算で利用可能なクラウド技術の発展とそのサービスの普及が大きく影響しています。クラウドサービスを利用すれば、そのプロバイダーにインフラの運用・保守を任せられるため、オンプレミスのように自社でインフラ関連の技術者を雇用する必要がなくなります。また、サードパーティが提供する多種多様なアプリケーションを利用して、自社ビジネスの強化を図ることも可能です。

ただし、中小企業向けの製品であっても、ある程度のコストはかかるため、自社のビジネスに適しているかをしっかりと確認しなければなりません。以下では、中小企業が業務管理のシステムを導入する際のポイントを紹介します。

ポイント1:想定する業務領域をカバーできるシステムになっているか

管理したい業務にしっかりと対応できるシステムかどうかを確認する必要があります。導入を進める過程で、実は業務の細かい部分ではサポートができないシステムだと判明することはよくあります。概要だけではなく製品の詳細まで確認し、実現したいことを叶えられるかどうかチェックしましょう。

ポイント2:費用に見合ったパフォーマンスが期待できるか

システムで業務管理を効率化できても、それに見合う収益が得られなければ意味がありません。導入にかかる費用と想定される収益を比較し、システムを選定する必要があります。

ポイント3:UIが分かりやすく、学習コストが低いか

業務管理のシステムは多くの社員が使うことになるため、UIがわかりやすく直感的に使用できるものが推奨されます。また、学習コストが低いことも重要なポイントです。ITにあまり詳しくない従業員でも、簡単に操作方法を理解できるものを選ぶとよいでしょう。

ポイント4:業務拡大にも対応できるか

業務システムは一度導入したら終わりではなく、その後の自社ビジネスの拡大や顧客のニーズに合わせて、改善をしていくものです。そのため、将来的にビジネス領域を拡大する予定も見据えて選定を行う必要があります。

具体的には、

  • スケールアウトの可否
  • 機能のカスタマイズ、アドオン開発の可否
  • 他システムとの連携の仕組み

などの観点から5年後・10年後をイメージし、自社に適したシステムであるかどうかを検討しましょう。

まとめ

業務管理は、ビジネスを効率的に推進していく上で必要不可欠な取り組みです。自社のビジネスや業務に合わせて、最適な方法を検討する必要があります。現代では、クラウドサービスの普及により、中小企業でも業務管理をサポートするシステムの導入が可能です。小規模で資金が少ない企業も、積極的に業務管理の仕組みを構築していきましょう。

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