クラウドERPの課題と改善策を考える 第九回「クラウド市場シェアでAWSが微減。業務クラウドはAzureで統一すべき?」

ERP
公開日:
更新日:

第7回のコラム「クラウド市場シェアでAzureがAWSを抜き、ERPといえばクラウドERPになる時代へ」は多くの方に読んでいただきました。クラウド市場は年々拡大していますので、AWSが微減でも売り上げは伸びています。Azureのシェアは年々肉薄しているので、売り上げの伸びはさらに大きいものになっているのは容易に想像がつきます。

クラウドプロバイダーの市場シェアトレンドのグラフ

引用元:As Quarterly Cloud Spending Jumps to Over $50B, Microsoft Looms Larger in Amazon's Rear Mirror

サラリーマン時代に長年、マイクロソフトと戦ってきた身としては「やはり来たか!さすがだね」と思いました。マイクロソフトはやはり試合巧者のイメージがあります。このグラフはIaaS、PaaS、Hosted、Private Cloudの合算値で出していますが、SaaSの市場シェアを見ると、マイクロソフトが圧倒的です。その理由はMicrosoft365の存在があまりにも大きいからなのですが、そもそもマイクロソフトはオンプレミスOSの頃からソフトウェアベンダーとのアライアンスがうまく、多くのキラーアプリが存在していました。あらゆる分野の上位のシェアを持つ、アプリケーションは必ずWindowsに対応していた時代がありました。(そのころ、私はNetWare、SUSE、 Turbolinuxのマーケッターとして戦っていました)
もちろん、国産ERPのGRANDITもWindows上のキラーアプリの一つです。そして、Azureの展開が始まると、多くのソフトウェアベンダーはAzureにも対応し、GRANDIT miraimilのようにAzureベースにしたクラウドを展開するベンダーも多くなってきました。マイクロソフトはオンプレミスのサーバOSからAzureへのクラウド対応、クラウドサービス化への移行をうまく提案した結果、シェアを伸ばしてきたのです。そしてこれからクラウドを導入するサーバは、業務系のサーバが多く、お客様の層としても慎重にシステムを検討するお客様が多いはずです。よって、私が5年前に予想した通り、今後AWSは微減し、Azureが成長し、シェアの上では2つのクラウドは並び、やがてAzureが抜くはずです。

そんなクラウドの話はどうでもよいと思うかもしれませんが、オンプレミスで残っているサーバもWindowsサーバが多く、どうせ導入するなら伸びているAzureで構築した方がよいのではないでしょうか。

Azureが伸びている理由をまとめると、ソフトウェアをうまく抱き込んでいるからということなのですが、お客様は別にクラウドが欲しいわけではなく、アプリを使いたいだけなので、当然アプリに強いクラウドが伸びます。ただ、お客様の本音で言えば、クラウドを管理したいわけではなく、アプリケーションが安全に便利に使いたいだけなので、GRANDIT miraimilのようにクラウド化されたアプリケーションサービスがやはり欲しいはずです。さらにGRANDIT miraimilは商社・卸売業、サービス、IT業界にとても強いクラウドサービスであり、中小企業の方でも安心して使えるERPとなっているので、これらの企業の方には特におすすめです。

それでは今日はこの辺で

著者プロフィール
吉政創成株式会社 代表取締役
吉政忠志
主な経歴

大手システムインテグレーター、OSメーカー、データ連携ツールメーカー、ERPメーカーの営業、マーケティング責任者を経て10年前に吉政創成株式会社を設立。
その他にPythonエンジニア認定試験、PHP技術者認定試験、Rails技術者認定試験を主宰する。