ERPコラム

ERP導入を成功させるための、
プロジェクト推進方法その2

第2回目は、ERP導入プロジェクトを成功させるプロジェクトチームづくりとコミュニケーションについてお話します。

最大のリスクはスコープの「ぶれ」

ERPを導入する目的の一つとして、全社的に業務を最適化することがあげられます。
そのため、スコープがぶれてしまい、業務が余計に手間取ったり煩雑になると、目的から逸れてしまいます。意味がありません。ERPシステムはあくまで目的を実現するツールであることをメンバー全体で共有しましょう。

ERPシステムの導入によって、現場の仕事により負担がかかってしまっては、それは成功したとは言えません。ERPシステムの導入はあくまで組織のリソースを最適に配分し、経営の合理化を進めるためのものです。ですが、経営者目線だけで見てしまい、組織に潜在的に存在している矛盾を、現場スタッフに押し付けてしまうと、ERPシステムはいずれ破綻してしまう可能性があります。開発はウォーターフォールであっても、ERPシステムの構築にあたってはトップダウンではなくボトムアップで意見を聞くことも重要ではないでしょうか。

目標とスケジュールの両立

壮大な目標を立てても、実現できなければ意味がありません。そして、スケジュールに遅れないことも大切です。自社でパッケージを導入する際に遅れれば遅れるほど、人件費がかかります。

顧客のいない自社プロジェクトだからといっても、遅延して他に迷惑がかからないとは限りません。人件費もかかりますし、貴重なメンバーが他のプロジェクトにアサインされることを阻害してしまうこととなり、社内の人員配置にも支障をきたします。

各々が職責にコミットすることが大事

目標とスケジュールの両立は、非常に重要です。
ですが、プロジェクトマネージャーの立場を考えてみたとき、個別の進捗にまで詳細に立ち入ってしまうと、メンバーの意欲をそぎ、なおかつプロジェクトマネージャー自身がプロジェクトマネジメントに集中できなくなってしまうリスクがありますので、個々の進捗はチームリーダーに任せることも必要です。職責を適切に分割し、自分が任された範囲内で、それぞれのメンバーがコミットしていくことが重要です。

活発なコミュニケーションが交わされるチーム作り

誰がプロジェクトの主導権を握っているのか明確にしましょう。
日々の朝会、週一度の進捗報告など、コミュニケーションを取る機会はたくさんあります。
メンバーも積極的に意見を挙げ、情報発信は積極的に行いましょう。

ERP導入プロジェクトにおいてコミュニケーションはキモ

そのためには、積極的に発信しやすいムードを作っていくことも重要です。活発にコミュニケーションが交わされ、自由闊達に意見が交わされているチームは非常に良いチームです。そのためには、プロジェクトリーダーは独善的ではなく民主的に振る舞う必要があります。ERPプロジェクトは、慎重かつ皆の意見を聞きながら、進行してく必要があるでしょう。

コミュニケーションルールを守る

動的なコミュニケーションが苦手な人がプロジェクトに多い場合は、チャットワークなどの静的なコミュニケーションツールを導入しても良いでしょう。
コミュニケーションと指示。命令系統はしっかり守りましょう。プロジェクトリーダーからチームリーダーへ、チームリーダーからメンバーへと、命令系統を乱さないコミュニケーションが重要です。

ミッションを理解してもらうには

チームメンバーの隅々にいたるまで、プロジェクトのミッションを理解してもらう必要があります。ERPシステムの導入は、全社的に重要な案件であることを十分に理解して、進めていく必要があります。

プロジェクトのミッションを、特にプロパーの従業員に理解してもらうことは重要です。協力会社等の技術力は、外部から調達することもできますが、熱意と意欲を持ったメンバーの指導は、プロジェクトリーダーにしかできないのです。

柔軟かつ俊敏に

チームがピラミッド型になりすぎる必要はありません。たとえばチームから1名ずつ選抜してコミュニケーション専用のグループを作り、普段会話しない人との交流をはかってもいいでしょう。
プロジェクトの進捗にも関わってきますので、柔軟かつスピーディなコミュニケーションが求められます。うまくいっていなくとも隠し事をせず、素直に報告することが大切です。
そのためには、ミスの報告をためらわない雰囲気づくりが大切です。

ヨコのコミュニケーションで意見交換を活発化

環境づくりもリーダーの役割のひとつです。
仮に、タテ型の組織だとしても、ヨコのコミュニケーションが重要です。ERPシステムの導入がうまくいけば、メンバー全体の評定も上がります。
全社的に重要なプロジェクトであることを理解してもらいつつ、なおかつ自社にかかわることなので、コミュニケーションを通じて柔軟かつ俊敏に、意見交換していく必要があります。

昨今はさまざまなツールがありますので、テキストベースでも十分柔軟なコミュニケーションがはかれます。コミュニケーションの欠如は、プロジェクトの停滞をもたらします。

ERPコラム一覧

第1回 ERPとは
第2回 ERPの歴史
第3回 ERP導入の目的とメリット
第4回 自社業務に最適なERPの選び方|業種や課題ごとの事例も紹介
第5回 ERPの導入 成功のための3つのポイント
第6回 ERP導入は、企業にとって革新的な業務改善を実現する第一歩
第7回 ERPにおける統制とは?
ITと業務による両立
第8回 ERPにおける情報連携
第9回 2層ERPモデルの活用法
第10回 ERP導入を成功させるための、
プロジェクト推進方法 その1
第11回 ERP導入を成功させるための、
プロジェクト推進方法 その2
第12回 基幹システムの再構築に関して
第13回 RPAにおける生産性向上のポイント
-働き方改革を実現するには-
第14回 ERPパッケージとは?既存システムから置き換える際の3つのポイント
第15回 財務会計と管理会計の違いは? ERPはどう役立つのか?
第16回 クラウドERPとは?オンプレミスとの違いやおすすめ製品を紹介
第17回 BIツール導入の成功ポイント
第18回 2025年問題とは何か?
第19回 一元管理とは?一元管理の主な対象、メリット・デメリットを解説
第20回 会計システムとは?メリットや機能、選び方などを解説
第21回 ERPの導入を成功させる方法!種類別にメリット・デメリットを解説
第22回 基幹システムとは?種類やメリット、選定ポイント、トレンドなどを解説
第23回 原価管理とは?原価計算との違いや課題、実施プロセスなどを解説
第24回 原価計算とは?目的や種類、計算方法、課題、効率化の方法などを解説
第25回 在庫管理システムとは?在庫管理システム導入で業務効率化を実現!
第26回 人事給与システムとは?効果的な選定ポイントと注意点を解説
第27回 生産管理システムとは?生産管理システム導入で業務効率化を実現!
第28回 販売管理システムのメリットや選び方、導入するステップを詳しく解説

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