ERPコラム

ERPパッケージとは?既存システムから置き換える際の3つのポイント

ERPパッケージは、「会計」「販売」「物流」「生産」「人事」などの業務を、統合的に管理できるパッケージです。
本ページでは、メリットや注意点などについてご説明しております。

ERPとは?

ERPとはEnterprise Resource Planningの略であり、日本語では企業資源計画(きぎょうしげんけいかく)といいます。企業全体の経営資源有効活用の観点から資源を統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法・概念です。

ERPは企業内に存在する製造・物流・販売・調達・人事・会計などの企業内のあらゆる情報の統合管理を行い、最適に配置・配分することで効率的な経営活動を行うという考え方であり、生産・在庫管理における手法の1つであるMRP(Material Requirements planning)から発展したものと言われています。

また、これらの企業全体の情報を一元管理するための統合型(業務横断型)ソフトウェア(統合基幹業務システム)を「ERPパッケージ」と呼びます。

ERPパッケージとは?既存システムから置き換える際の3つのポイント

1990年に入り、市場の拡大、競争スピードの激化、市場のグローバル化等により企業に求められる要件も大きく変化してきました。

このような経営環境の変化に対応するために「迅速かつ最適な意思決定」求められるようになり、そのためのリアルタイムな経営管理手法としてERPが注目され浸透していきました。
そして、ERPの考え方が広がるにつれて、それらの概念を実現・管理するツールとしてERPパッケージというアプリケーションが発展しました。現在ではERPという言葉そのものがERPパッケージ(アプリケーションソフト)を指すように変化してきています。

ERPパッケージの導入により、「会計」「販売」「物流」「生産」「人事」などの業務を通じて企業全体の情報を統合的に管理できます。また、統合された企業情報に基づき必要なデータをリアルタイムで確認することで、業務の効率化や迅速な経営判断が可能です。
このような利点からERPパッケージを導入する企業は増え続けています。

ERPパッケージライセンス市場は、2017年では前年比0.8%増と堅調ではあるが伸び続けています。
また、2018年は前年比2.9%増の1,129億6,300万円が予想されており需要の高さが伺えます。
引用:「https://enterprisezine.jp/article/detail/11072

ERPパッケージは主に業務や業種ごとにカスタマイズされていることが多いため、自社に最適な機能を選択できます。

ERPパッケージのメリット

経営の意思決定に際し、定量的判断基準を提供する管理会計は、中期計画や事業計画の策定に役立てられます。
管理会計にはさまざまな指標があり、企業によってその採用、優先順位、分析の際のデータ粒度、観察の頻度などが変わってきます。業種・業態の違いによっても、活用する指標はそれぞれ違ってくるものです。
企業のコンディションは、損益分岐点の分析や予実管理、部門別会計など、さまざまな項目によって分析します。財務会計が国内共通のルールに基づいて行われるのに対し、管理会計は各企業の分析、判断の基準になるものですから、業種・業態によって手法は異なります。管理会計は、外部向けに客観的な経営状況を示すものではなく、あくまで経営層や経営企画、事業推進、営業推進といった各部署が、具体的な事業の改善や新規事業投入などの判断を行うためにつくられるものです。
それでは、管理会計における指標を見ていきましょう。

  1. パッケージによるコスト削減
  2. 業務の効率化
  3. 経営情報の可視化
  4. 労働分配率

管理会計では以上の3つが代表的な指標です。それでは、それぞれの指標について解説してまいりましょう。

1.パッケージによるコスト削減

本来ERPのようなパッケージを自社で開発する場合は一から設計や構築などをする必要があり、多大な人件費や開発コスト、期間が必要です。
しかし既にパッケージ化されているERPパッケージは、業務に必要な機能が標準で組み込まれているため、設計や構築に費やす時間を大幅に削減できます。また業務や業種ごとにテンプレートが用意されたERPパッケージは、開発にかかるコストを自社開発に比べて削減できます。 さらには他ソフトウエアと柔軟に連携ができるERPパッケージもあります。また現在はクラウド型のERPも存在しさらなるコスト削減が可能となっています。

2.業務の効率化

ERPパッケージは各部署のデータが一元化されており、業務のデータは全て統合データベースに反映されます。各部署でさまざまな製品やシステムを利用している場合には、それぞれのシステムデータを連携するため、システム間におけるデータの整合性について確認が必要となり、データの整合性維持及び管理が難しくなります。
つまりERPパッケージを利用することで、同じ作業を繰り返すことを防ぎ、二重入力やシステム間連携の確認作業などを削減し、業務の効率化が図れます。
業務を効率化することで余分な人員を割く必要がなくなるので、人材不足の解消につながるかもしれません。

3.経営情報の可視化

企業が持つ経営資源(ヒト・モノ・カネ)を統合的に管理し、その有効活用により経営の効率化を図るというのがERPの考え方です。
つまりERPパッケージを導入することで、自社の経営資源を有効に活用できます。
有効活用する方法の一つとして、リアルタイムで経営資源の可視化が可能です。
これにより経営資源の最新情報をいつでも知ることができ、企業全体の最適化を促進できます。

4.統合データベース

ERPは従来それぞれの部署や業務ごとに分かれていたデータを統合データベースで一元管理しています。統合データベースは業務処理を行ったデータのみが反映されるのではなく、その業務に関連したデータ全てがリアルタイムで反映されます。
例えば商品を販売した際にデータを処理した場合、それに関係する出荷や会計などのデータとしてリアルタイムに引き継がれます。
これにより部署間の密連携を実現し、同じ内容を何度も入力し直すなど無駄な手間を省くことができます。

5.迅速な経営判断が可能

ERPパッケージには様々な機能が備わっており、その中に経営分析機能というものが存在します。これは統合データベースにあるデータを分析し、リアルタイムで経営状態を確認できるという機能です。
必要な人が、必要なときに、リアルタイムで情報を確認することができ、迅速に適切な経営判断を下すことができます。
素早い意思決定が必要な現代において欠かすことのできない機能の一つと言えるでしょう。

既存システムから置き換える際の注意点

既存システムからERPパッケージへ置き換える際は、いくつか注意すべき3つのポイントがあります。

  1. 業務システムの習得
  2. 目的の明確化
  3. データの整備

では一つずつ解説していきます。

1.業務システムの習得

ERPパッケージへ置き換えるにあたって、全ての人がシステムを使用するためのトレーニングをしなければなりません。
基本的なパソコンの使い方から、細かい操作方法まで習得にかかる時間も考慮しなければなりません。

またトレーニングに時間をかけたくないからといって、あやふやな状態でERPの運用を始めると、新たなシステムでの処理がわからず、誤った入力方法をしてしまい、結果、何度も入力をし直すなど、従業員の負担が増えてしまう可能性があります。トレーニングをすることで、新たな処理を実行する方法を認知させ、利用者が日常業務を処理する状況に即した知識を習得することができます。トレーニングは、時間をかけ実施する必要があります。

2.目的の明確化

ERPパッケージへ置き換える際は、必要な理由や活用方法などの目的を明確にすることが大切です。

ERPパッケージはあくまでも、業務を効率化し経営をサポートするツールに過ぎないため目的が明確になっていない状態で置き換えても、最大限の効果が発揮できないでしょう。

まずは導入する目的を明確にし、その次に自社との最適化を図り最大限の効果で活用できる方法を検討する必要があります。

3.データの整備

ERPパッケージへ置き換える際は、マスターデータの整備や準備をする必要があります。

統合データベースのERPでは部署ごとのマスターデータ(製品情報・価格・出荷情報 など)を一元管理します。

つまりデータがないことには何も行うことができません。必要なデータを纏め、整備し、データが存在しない場合は新規で作成する必要があります。

手間も多く、時間がかかりますが、ERPパッケージをより有効に使うためには、ERPパッケージで扱うデータを事前に整理しておくことが重要です。
データ整備は、ERPパッケージを導入する際に最も重要な作業のひとつです。

ERPパッケージを導入することで考えられる導入効果

ERPパッケージを導入することにより様々な導入効果が考えられます。

システム統合、内部統制の強化、経営指標の可視化について、いくつか例をあげてご紹介します。

システム統合

前述した通り、ERPパッケージはシステムを統合して設計されています。

従って、様々なシステムを寄せ集めて連携している業務システムとは違い、データの整合性や操作の一貫性が向上します。

つまり従来行ってきた二重入力やシステム間の連携に伴う確認作業などの無駄な作業を削減し、業務を効率化できます。

内部統制の強化

ERPパッケージをグループ会社全体へ導入することで、内部統制の強化へとつながります。

理由としてERPは会社間の取引情報やマスタを共有できるため、グループ会社の実績を統合的に管理できます。

また、多言語や多通貨に対応しているERPパッケージの場合は海外拠点のデータも管理することができ、世界中に存在する拠点のデータを一元管理できるグローバルシステムの構築も可能です。

経営指標の可視化

企業のデータを一元管理できるため、誰でも必要な時に必要な情報を確認できます。

それにより経営層が各種詳細レベルで情報を確認できるため迅速な経営判断を下すことができ、それが結果的に業務の効率化を促進させることへとつながります。

ERPパッケージの導入事例

ERPパッケージの導入事例をご紹介します。
今回ご紹介するのは、SBテクノロジー株式会社様が導入した事例についてです。

導入の背景として、もともと自社内で独自開発したシステムを使用していたが課題であった事業継続計画対策と内部統制の強化を解決するためERPパッケージの導入を決めたとのことでした。

また効率化の観点でも営業資料などを作成する際、以前は1~2時間かけて資料づくりをしていたが、今では集約されているデータをそのまま使い、BIツールでビジュアル化したものを資料として報告しているため資料づくりの手間はなくなったとあります。

まとめ

ERPパッケージを導入することで経営を最適化できることは間違いないでしょう。

ですがもちろん導入するだけでは求めているような効果は得られません。
最大限の効果を得るためには、ユーザーの教育や最適なパッケージの選定など行わなければならないことは多岐にわたります。

まずは導入する際の注意点をよく確認し、目的を明確化することが重要です。
そして自社にあったERPパッケージを導入し、効率よく活用できるよう社内体制を整えることが必要です。

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