SBテクノロジー
株式会社様
国産ERP「GRANDIT」で実現した
ビジネスのスピードアップと可視化
SBテクノロジーは機器販売と開発、運用保守を事業の3本柱として成長を続けている。同社は2008年の基幹システム刷新に際して、国産ERP「GRANDIT」を採用した。6年後の2014年には、GRANDITのバージョンアップにより新しいビジネス環境に対応。2度のGRANDIT導入プロジェクトにおいて、開発パートナーを担ったのがGRANDIT社である。
企業情報
企業名 | SBテクノロジー株式会社様 |
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事業内容 | ICTサービス事業 |
資本金 | 645百万円(2015年3月末現在) |
従業員数 | 833名(連結 2015年3月末現在) |
充実した内部統制機能と完全WEBベースを評価
1990年に設立されたSBテクノロジーは、ソフトバンクグループの内外に向けて多様なICTサービスを提供している。特に、「ビッグデータ」「セキュリティ」「クラウド」の3分野を注力事業と位置づけ、法人企業や地方公共団体向けのサービス開発・提供を積極的に行い、さらなるビジネス拡大を目指している。
SBテクノロジーでは、2008年4月にそれまで長く活用していた独自開発のシステムから、ERPパッケージの導入へと大きく方針転換した。当時、同社の情報システムでの課題は、事業継続計画対策と内部統制の強化だった。SBテクノロジーの藤澤豊氏は次のように振り返る。「例えば、旧システムのワークフローでは申請者が承認者を設定することが可能でした。悪意のあるユーザーがいれば、不正を許すことにもなりかねません。内部統制上は、システム側で適正な業務を担保する仕組みが必須です」。
SBテクノロジー株式会社 営業統括ソリューション営業統括部 藤澤 豊 氏
SBテクノロジーは段階的な検討を経て、2006年にGRANDIT Ver.1.5をベースにした基幹システム構築を決定した。GRANDITは経験とノウハウを持つSI企業がコンソーシアム方式で開発した国産ERPパッケージで、日本企業の文化にマッチしたWEBベースの製品である。「内部統制機能の充実と旧システムと同様のWEBベースのシステムであることが重要なポイントでした。加えて、当社は機器の販売と開発、運用保守などのサービスを行っています。これらを一つのERPで対応するようなパッケージは、当時は極めて少なかったと思います」(藤澤氏)。
GRANDIT Ver.1.5の導入から6年ほど経った2014年には、消費税増税(5%から8%へ)への対応やサーバーOS(Windows Server 2003)のサポート終了が2015年に控えていたことなどを機に、基幹システムをGRANDITVer.2.0にバージョンアップした。それまでの経緯はいったんリセットしてゼロベースからいくつかのERPを俎上に乗せて評価したが、GRANDITが再び選ばれた。
技術面でも頼りになる開発パートナー
GRANDIT Ver.2.0の選定ポイントについて、SBテクノロジーの高橋哲矢氏は次のように説明する。「各ERPの機能比較では、完全Webベースであること、当社の販売管理を一つのERPパッケージで対応できることを重視しました。また、これまで蓄積したノウハウを活用することで運用コストの削減が可能と判断し、GRANDITの採用を決定しました。2008年の導入時以来お付き合いしてきた開発パートナーのGRANDIT社が、当社の要件や運用を熟知していることも採用のポイントとなりました」。
SIerのGRANDIT社は、SBテクノロジーのGRANDITベースの基幹システムの開発パートナーとして、GRANDITの導入・運用をサポートしている。
導入プロジェクトの山場は、第1次、第2次ともにデータ移行だった。「2014年のバージョンアップの際には、土日にデータ移行を終えなければなりませんでした。かなりタイトなスケジュールで、しかも失敗は許されません。大丈夫かなと思ってGRANDIT社のプロジェクトマネージャーに相談すると、『任せてください』との力強い返事がありました。プロジェクトマネージャーをはじめ、GRANDIT社のメンバーの方々は技術面だけでなく、精神的な面でも頼りになる存在でした」と髙橋氏は振り返る。
GRANDIT社の経験値を実感した場面もあったようだ。ユーザーからの求めでGRANDITの標準機能にない機能を付加する際など、ちょっとした工夫で要求に対応できたこともある。高橋氏は「長年ITを担当してきた私としては、『こんなことができるのか』という驚きがありました」という。
技術面でも頼りになる開発パートナー
SBテクノロジー株式会社 管理統括 管理本部 情報システム・セキュリティ部 高橋 哲矢 氏
SBテクノロジーにおけるGRANDITのユーザーは全社にまたがり、約700人となっている。
GRANDITは周辺システムとも連携している。例えば、日報管理システムが扱う工数などのデータは月次でGRANDITに取り込まれる。また、営業現場では、CRM製品とGRANDITを連携させて使っている。「商談の経緯や過程に関する定性データ、見積や受注金額などの数値データをともにCRMに入力し、その中の金額に関するデータにつてはGRANDITに流し込むという形です。CRMとGRANDITへの二重入力を避けるために、こうしたデータ連携を実現しました」(藤澤氏)。
このようにして、ビジネスに関する様々な数値データがGRANDITに一元的に集約される。その基幹データはBIツールを通じて経営層にほぼリアルタイムで伝えられ、経営判断や課題対応のスピードアップにつながっている。「もし問題があれば、BIで問題を把握した経営層から、担当の営業マネージャーなどにすぐに対策などの指示が出されます。経営スピードの向上を可能にしたのが、GRANDITによる情報の一元管理です」と高橋氏は語る。
効率化の観点での効果もある。一例として、高橋氏が挙げたのは営業資料などを作成する際の効率化である。部長クラスが経営層に営業状況などを説明する際、以前は1~2時間かけて資料づくりをしていたという。
「今では、GRANDITに入っているデータをそのまま使い、BIツールでビジュアル化したものを資料として報告しています。
資料づくりの手間はなくなりました」(高橋氏)。
今や、GRANDITはビジネスインフラとして、SBテクノロジーにとって欠かせない存在になっている。「社内では目立たないかもしれませんが、GRANDITが止 まってしまうとビジネスそのものが止まるというほどの、当社にとっては必須の基幹システムです」と語る髙橋氏は、GRANDITのさらなる進化に期待している。