プロジェクト管理とは?PMBOKの考えを基にプロジェクトの流れを解説
PMBOKを理解し、適切なプロジェクト管理を実施しよう
本記事のまとめ
- PMBOKはプロジェクト管理に関するノウハウや手法をまとめたもの
- 原価管理を行えるプロジェクト管理ツールを選定することが大切
- 「GRANDIT miraimil」を導入してプロジェクト管理を円滑に進めよう
プロジェクトを成功に導くために最も重要なことは、プロジェクト管理です。プロジェクト管理を疎かにすると、プロジェクトが失敗したり、無駄なコストがかかったりするリスクが高くなります。そしてプロジェクト管理に関するノウハウや手法をまとめたものがPMBOKです。PMBOKの考えに基づいて推進することで、プロジェクトを円滑に進められます。本記事では、プロジェクト管理の概要とPMBOKの考え方、プロジェクト管理で重要な原価管理について解説します。
目次
1. プロジェクト管理の概要
プロジェクト管理とPMBOKの概要について解説します。
プロジェクト管理とは
プロジェクト管理とは、プロジェクトを成功させるべくプロジェクト全体を管理することです。「プロジェクトマネジメント」とも呼ばれ、「人」「物」「金」「時間」「情報」などを管理・コントロールします。
なぜプロジェクト管理が必要なのか
プロジェクト管理では、スコープの管理、スケジュールの管理、タスクの管理、コストの管理、リスクの管理など、さまざまな管理を必要とします。そして、これらの管理を行う上で重要な指標がQCDです。プロジェクトの成功には、QCDの達成を意識した管理が欠かせません。
品質(Quality)の管理
QCDの「Q」はQuality(品質)を指します。プロジェクト成功には、成果物の品質管理が重要です。どこまでの品質を担保するかをプロジェクトの初期段階で決定・計画し、その品質を保証できるように、成果物の検証とプロセスの確認を徹底します。そして、品質に問題があれば改善を行うなど、あらかじめ定めた品質を保証するために適切な管理をしなければなりません。
もし品質の管理ができていなければ、成果物を納品する際に、改善や後戻りなどが必要となり、大きなコストが発生してしまうおそれがあります。
原価(Cost)の管理
QCDの「C」はCost(原価)を指します。会社に利益をもたらすことは、プロジェクトを行う目的の一つでもあるため、プロジェクトにかかる原価の管理も重要です。プロジェクト開始前には、プロジェクトにどれだけの工数とコストがかかるかを計算し、請求額の見積もりを検討する必要があります。
もし原価の管理ができていなければ、プロジェクトは終了したものの、結果的に赤字となってしまうリスクが高まります。
納期(Delivery)の管理
QCDの「D」はDeliveryを指します。プロジェクト成功には、納期の管理も欠かせません。プロジェクトにどれだけの工数がかかるかを事前に見積もり、詳細にスケジューリングします。そして、スケジュール通りにプロジェクトが進行しているかを常に管理することで、進捗遅れが発生しにくくなります。
しかし、プロジェクトに問題はつきものであり、計画通りにプロジェクトを進行させることは困難です。そのため、あらかじめ余裕のあるスケジュールを立て、タスクの進捗遅れをすぐにリカバリーできるように管理することが大切です。
納期の管理ができていないと、利益が減少するおそれがあるほか、最悪の場合、納期の遅れやプロジェクトの中断による損害賠償が発生するリスクがあります。
2. 中小企業におけるプロジェクト管理のポイント
プロジェクト管理は複雑で難しいため、プロジェクト管理のフレームワークを取り入れるのも一つの手です。なかでもPMBOKは、プロジェクト管理に関するノウハウや手法をまとめたものであり、プロジェクトを成功へ導く大きな手助けとなるでしょう。
PMBOKには、プロジェクトで管理するべき10の知識体系がまとめられています。
10の知識体系とは、「総合管理」「スコープ管理」「スケジュール管理」「コスト管理」「品質管理」「資源管理」「コミュニケーション管理」「リスク管理」「調達管理」「ステークホルダー管理」です。
プロジェクトを成功させるには、10の知識体系に沿ってプロジェクトを管理するのが理想です。しかし、中小企業ではリソースに余裕がない場合も多いでしょう。そこで、外部のシステムベンダーに一任するなど積極的にアウトソースすることも大切です。その際は、PMBOKの10の知識体系をベンダーに遂行させ、社内では品質管理やコスト管理を行います。
総合管理
総合管理とは、タスクや成果物、資源などPMBOKの10の知識体系である他9つの管理を統合的に管理することです。プロジェクトを期限内に効率よく達成させるために、プロジェクトの計画と目的に関係するすべてのことを管理しなければなりません。
外部システムベンダーにシステム開発を依頼する場合は、要件や設計についての連携や、プロジェクト全体の進捗把握は実施しましょう。
スコープ管理
スコープ管理とは、プロジェクトの最終目標を明確にし、必要な作業の内容や成果物を管理することです。スコープを管理できていれば、タスク漏れやスコープ範囲外の作業を防止でき、効率よくプロジェクトに取り組めます。スコープの管理が不十分だと、スケジュール管理やコスト管理、品質管理など他のマネジメントにも影響を及ぼすため、スコープ管理は最も重要なマネジメントといえるでしょう。
外部システムベンダーにシステム開発を依頼した場合、スコープの認識合わせは重点的に実施しましょう。システムベンダーがスコープ外と判断した機能の実装は行われないため、認識合わせができていないと、想定通りのシステム開発ができないおそれがあります。
スケジュール管理
スケジュール管理とは、プロジェクトの目標達成に向けて時間と行動をコントロールし、定められた納期や各タスクのスケジュールに遅延が発生しないように管理することです。効率の良い作業の順序や作業にかかる工数の見積もりを行い、具体的なスケジュールを立てます。また、遅延が発生したら迅速にリカバリー策を考えることも必要です。
外部システムベンダーに依頼する場合は、想定通りのスケジュール感で開発が進んでいるかを適宜確認しましょう。
コスト管理
コスト管理とは、プロジェクトを会社の予算内で収めるために、必要なコストの見積もりや各タスクの予算の設定を行うことです。コスト管理ができていないと、プロジェクトの終結時点で想定よりも利益が少なくなったり、赤字を出してしまったりするリスクが高まります。そのため、プロジェクト開始前からしっかりとコストを想定して取り組まなければなりません。
外部システムベンダーにシステム開発を依頼する場合には、余計な出費が発生しないよう、コストの認識合わせを徹底的に行いましょう。
品質管理
品質管理とは、プロジェクトにおける成果物の品質目標を保証するための管理です。顧客が求める品質の成果物を完成させるために、管理方針や計画を立てて検証を繰り返し、品質目標に達してなければ改善します。顧客に満足してもらえるよう、品質が高くニーズに合う成果物にするための管理は不可欠です。
外部システムベンダーに依頼する場合は、成果物に求める品質について詳細に伝えておきましょう。連携がうまくできていないと、低品質のシステムとなってしまうおそれがあります。
資源管理
資源管理とは、プロジェクトに必要な資源を管理することです。ここでいう資源は「人」だけではなく「物」も対象です。プロジェクトでどのようなスキルを持つ人が何人必要かなどを検討してチームを編成し、育成とマネジメントを行います。また、プロジェクトを完遂する上で必要な機器などの物的資源の確保・管理も必要です。
外部システムベンダーに依頼する場合、そのシステムベンダーのリソースのみでシステム開発ができるかどうかを確認しましょう。もしリソースが足りずスケジュール通りに進まないのであれば、他のシステムベンダーへ依頼するなどの対応が必要です。
コミュニケーション管理
コミュニケーション管理とは、チームメンバーやステークホルダーが、正確な情報を伝達できるよう管理することです。プロジェクトを円滑に進行するために必要なコミュニケーションを、どのような伝達手段でいつ取るのかを、計画・モニタリングします。
外部システムベンダーにシステム開発を依頼した場合にも、システムベンダーとのコミュニケーションを密に行い、システム開発の状況を把握しましょう。
リスク管理
リスク管理とは、リスクによるプロジェクトへの影響を最小限に抑えるために対策を行うことです。万が一の状況に備えて、あらかじめ予防策や対応方法を計画しておくことで、被害を軽減できます。
外部システムベンダーにシステム開発を依頼する場合、会社の損失につながるリスクは考慮しておきましょう。システムベンダーの認識違いやヒューマンエラーによって、ステークホルダーへの影響が大きい障害が発生するおそれがあります。
調達管理
調達管理とは、プロジェクトに必要な資材やサービスを調達する際に発生する、引き合いから契約までの業務を管理することです。社内のリソースのみでは不十分な場合、必要な物を予算内で的確に調達しなければなりません。必要な時に資源やサービスが間に合うように、調達が必要と判断したらすぐに計画することが重要です。
外部システムベンダーにシステム開発を依頼する場合、システムベンダーでは調達不可能なものに対しては調達管理が必要です。そのため、システムベンダーがすべて必要なものを揃えられるかを事前に確認しましょう。
ステークホルダー管理
ステークホルダーとは利害関係者のことで、従業員や取引先、地域住民などを指します。ステークホルダー管理とは、社内外問わずプロジェクトに関わるすべての人を管理することです。なかにはプロジェクトに対して否定的な意見を持つ人もいますが、ステークホルダーとは普段からコミュニケーションを密に取ることが、プロジェクトを円滑に進めるために重要です。
外部システムベンダーに依頼する場合、システムベンダーはシステムの開発が完了したあとの運用対応は基本的に行いません。そのため、システム運用をスムーズに行えるよう、ステークホルダーとは良好な関係を築いておきましょう。
3. プロジェクト管理ツールの選び方
PMBOKの考えを基にプロジェクト管理を適切に行っていても、プロジェクト管理には多大な時間を要します。そこで、プロジェクト管理ツールを活用して業務効率化を図るのがおすすめです。プロジェクト管理ツールの選び方について紹介します。
プロジェクト管理ツールを選定する上でのポイント
選定ポイント1. コストを考慮する
プロジェクト管理ツールは基本的に月額定額制であり、無料で使用できるツールから、月数万円かかるツールまでさまざまです。多くの企業では、プロジェクト管理ツールを一度導入したら何年も使用するため、毎月のコストが会社の予算内であるかを十分に考慮しましょう。
選定ポイント2. 必要機能があるかどうか
プロジェクト管理ツールにはプロジェクトを推進する上で便利な機能が豊富に備わっています。例えば、課題やタスクを管理する機能、ガントチャート作成機能、スクラムボード機能などがあります。ツールによって機能は異なるため、プロジェクトに必要な機能を検討し、最適なツールを選択しましょう。
選定ポイント3. 日本語に対応しているか
多くのプロジェクト管理ツールは海外で開発されており、翻訳機能を用いて日本語表示しているツールもあります。そのため、誤った日本語が表示されており、細かいニュアンスが伝わらないケースも少なくありません。プロジェクト管理ツールは毎日使用するため、正確な日本語に対応しているツールで環境を整えることをおすすめします。
プロジェクト管理で最も重要な原価管理ができるツールを選ぼう
上記3つのポイントを考慮するとともに、原価管理ができるプロジェクト管理ツールを選ぶとよいでしょう。原価管理ができていないと、コストが想定予算内に収まらず、損失が発生してしまう危険性があります。
4. 「GRANDIT miraimil」のプロジェクト原価管理を活用しよう
「GRANDIT miraimil」は、幅広いニーズに対応できるクラウドERPです。GRANDIT miraimilのプロジェクト原価管理は、さまざまな業界で必要なプロジェクトの原価管理を効率化できます。モジュールを標準機能に追加することで、ERP機能を拡張でき、すぐに利用が可能です。
GRANDIT miraimilのプロジェクト原価管理の活用
GRANDIT miraimilのプロジェクト原価管理の活用法を3つ紹介します。
プロジェクト原価管理の活用1. プロジェクト別収支管理・工事進行基準に対応
業務上の負担が大きく、中小企業でシステム化が困難であったプロジェクト別の収支管理や工事の進行基準に対応可能です。データ入力の分散・処理の自動化により、業務効率化を図れます。
プロジェクト原価管理の活用2. プロジェクト進捗状況をリアルタイムで確認し、迅速な対策が可能
プロジェクトの進捗管理や状況をリアルタイムで確認・分析できるため、作業の遅れに対して素早く対応でき、プロジェクトを円滑に進められます。
プロジェクト原価管理の活用3. 使い慣れた表計算ソフトを利用でき、業務効率がアップ
表計算ソフトで作成した実行予算などのデータ取り込みや電子承認ワークフローも利用可能です。データの登録作業や承認作業にかかる時間を大幅に削減できます。
まとめ
プロジェクトの目標を達成し完遂させるためには、QCDを常に意識し、専門的な知識を保有した上で、プロジェクト全体のモニタリングを行う必要があるでしょう。中小企業が体系的にプロジェクト管理を行う際は、PMBOKの活用も不可欠といえます。しかし、PMBOKの考えを基にプロジェクト管理を行っていてもプロジェクト管理にはかなりの時間がかかるため、プロジェクト管理ツールを活用して業務効率化を図ることが大切です。また、プロジェクトを完遂させ、目標通りの利益を出すためには、原価管理が欠かせません。「GRANDIT miraimil」のプロジェクト原価管理を活用して、業務の効率化に取り組んでみてはいかかでしょうか。
