2023年11月14日、15日、16日の3日間、GRANDIT DAYS 2023が開催され、「未来志向の企業成長戦略」をテーマに、最新の活用事例を含めた多数のプレゼンテーションが行われました。数多くの皆さまにご視聴いただき、大盛況となりました。
以下は、3日間にわたって行われたセミナーのダイジェストレポートです。
【DAY1】【基調講演】企業価値を高めるために必要なSDGs戦略(EMIELD株式会社)
SDGs経営コンサルタント
森 優希 氏
2030年以降を見据えたSDGsの位置づけと、ステークホルダーから選ばれ続ける企業になるため、事業・経営の中で取り組むべきポイントについて、SDGs経営のスペシャリストであるEMIELD株式会社代表取締役の森優希氏から基調講演がありました。
SDGsとは
SDGsは、2015年国連サミットで193の加盟国により採択された「地球上の誰一人として取り残さない」ための、持続可能な社会を実現する2030年までの世界共通の開発目標です。
持続可能な世界を実現するため、17のゴール・169のターゲットから構成されています。
社会課題は、途上国だけの問題ではありません。誰一人取り残さない社会を、地球全体で解決しましょう。
発展途上国を対象としたMDGsから、対象を世界全体に広げ、達成できなかった目標を引き継いでいこうという背景から、SDGsが設定されました。
SDGs全体の進捗
国連事務総長によると、2030年のSDGs達成年まで折り返しとなった2023年において、コロナパンデミックやウクライナ戦争等の影響もあり、進捗は著しく低く、むしろSDGsが発効された2016年以前の数値になっている項目もあるということです。
これに対して、国連加盟国にさらなる対応を求めました。
- 低炭素でレジリエント(強靭)な道筋に向けて経済を再構築
- 貧困を削減し、不平等を軽減
- 脱炭素、生物多様性への取り組み
- 国内制度と説明責任の強化
- 国連開発システムに対する多国間支援の強化
また、SDGsの進捗は遅れており、現状の進捗状況は、14.4%にとどまっています。
企業がSDGsに向き合うべき理由
土台は、社会・環境の背景です。攻めとしては、事業機会の創造、企業価値の向上。守りの観点では、ステークホルダーとの関係性強化があります。
ステークホルダーの例として、新卒が求める就職活動における決めての軸で重要視されているのは「人の役に立つ」「社会貢献」「自己成長」であり、世の中へ貢献をしている企業に人が集まっています。
また、ESG投資(環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行う投資)を開示する企業が増加しています。
自社だけではなく、調達先への対応状況が重点評価対象になっているのです。これによって、開示要請に取り組まないと、本業に影響がでる状況です。
SX(サステナビリティトランスフォーメーション)とは?
社会のサステナビリティと企業のサステナビリティを同期化、そのために必要な経営・事業変革(トランスフォーメーション)のことです。
企業が中長期的な戦略を考えるにあたり、社会の持続可能性も踏まえて、どのように稼ぐのか、どこに投資していくのかを連動させていくことが重要です。
それによって、選ばれ続ける会社になりましょう、ということです。
どのように実現していくか
まず、価値観を考えることからスタートしましょう。
社会の課題解決に対して企業・社員ひとり一人が取るべき行動の判断軸、判断の拠り所はどこなのか、企業理念等の価値観に基づき、長期戦略に落とし込んでいく社会課題を重要課題として特定することから始めるのです。
SDGsで成果を上げる企業とは?
SDGsで成果を上げる企業は、「事業を通じて、本気で社会課題解決をしようとしている企業」です。
これには、次の3つが条件となります。
- 企業の社会的な存在意義を明確にする
- 事業を通じた課題解決へ繋げる
- パートナーシップで取組を推進する
1.企業の社会的意義を振り返る
パーパスは「会社の社会的な存在意義」と定義されています。
広義な社会に対しての存在意義が明確になり、浸透すると、多くのステークホルダーの心を動かします。
また、共感の対象として、社外のステークホルダーも視野にいれることが重要視されます。
これまでの「違い」で選ぶ時代から、「価値の差別化+こころ」で選ぶ時代へシフトしています。
2.事業を通じた課題解決へ繋げる
2030年までの企業ビジョンによるバックキャスティングと、経営課題をふまえたフォアキャスティングでテーマを決めましょう。
SDGsの目標設計のポイントは、「ムーンショット」です。
非常に難しいですが、実現すれば多大な効果を期待できる計画があり、中長期の目標と一年以内の短期目標を併せて実行することによって、具体的な取り組みを推進します。
社会課題の背景を理解する(真因を把握する)ことが重要です。社会課題の背景への理解が薄いと、「SDGsウォッシュ」と批判されかねません。
SDGsウォッシュは、次のようなことです。
- 認識不足:対応すべき社会課題を認識できておらず、取組に至っていない
- 取組不足:対応すべき社会課題に取り組んでいるが、取組水準が十分でない
- 開示不足:取組は行っているものの、必要十分な情報を開示できていない
- 負の誘発:特定の社会課題に対する取組により別の社会課題を悪化させる
- 言行不一致:特定の社会課題に取り組むが、別の取組ではその社会問題を悪化させる
SDGsウォッシュが業績にもたらす影響の例を挙げると、事業の中で社会に良い取組を掲げているが、人権侵害にあたる問題が可視化されてしまった場合、事業経営のリスクに繋がります。
機会としてのSDGsだけでなく、リスクとなるSDGsとどう向き合っていくのか、この両面から見ていく必要があるのです。
3.パートナーシップで取組を推進する
企業の価値観や取組を可視化し、どのように社員に浸透させればいいのでしょうか。
社員が、まず存在意義や社会課題解決を語れるようになることを前提に、そういった取組をステークホルダーにも広めていくことが重要です。これを通じて、パートナーシップで取組を進めることが可能になります。
SDGsのウエディングケーキモデルを見てみましょう。
SDGsの17番のゴール「パートナーシップで目標を達成しよう」、これは1から16のゴール全てに関わってくる項目です。パートナーシップが重要なことが分かります。
また、SDGsの「経済」「社会インフラ」「環境や生物」の関係性を踏まえて、相互の効果を理解しつつ取り組んでいきましょうという項目が含まれています。
パートナーシップとは、どういうことなのでしょうか。
業界におけるテーマ別連携、バリューチェーンでの連携、社会的な背景を知る大学やNPOを巻き込んだ連携など様々な連携があります。
1社のインパクトは微々たるものです。バリューチェーンや業界を巻き込み、セクターを越えた課題解決に連携することを検討いただきたいと思います。
まとめ
「ステークホルダーの共感を生み、選ばれ続ける会社へ」
SDGsで成果を上げる企業とは、事業を通じて、本気で社会課題解決をしようとしている企業です。「本気で」とは、パーパス(理念)から一気通貫したSDGs戦略を全社で推進することではないでしょうか。
【DAY1.2.3】【ERP講演】未来志向の企業成長戦略
~企業価値向上をもたらすERPの役割とAI、DX、SDGsへの向き合い方~
(GRANDIT株式会社)
マーケティング室 室長
高橋 昇
近年、ICT(情報通信技術)が飛躍的な発展を遂げ、あらゆる企業で最新ICTへの対応が求められています。特に生成系AIの登場で、日々の業務を改めて見直し、何をICTに任せ、何を人間がやるべきか、課題を感じている企業も多いのではないでしょうか。
また、SDGsへの取り組みも重要視されており、持続可能な企業成長を実現していくために、益々デジタルの力が必要だと言われています。
本講演では、GRANDIT株式会社 マーケティング室 室長の高橋より、企業価値向上にERPがどのような役割を果たせるか、企業はAI、DX、SDGsなどにどう向き合っていけば良いのかをご紹介いたしました。
GRANDIT株式会社について
GRANDITは、「日本を支える純国産のERPを」と、ユーザー系SI企業が叡智を結集してコンソーシアム方式で開発したERPパッケージです。
GRANDIT株式会社はパッケージベンダーとして、多くのユーザー系企業に集まっていただき、ユーザー視点の「本当に使いやすい」ERPパッケージを開発するという理念の下、GRANDITは常に進化しています。
GRANDITは、基幹業務の範囲をカバーした11のモジュールと、従来外付けであったワークフローや、EDI、BIなどの機能をいち早く標準機能としてご提供しています。これらの機能は完全Webで動作しており、GRANDITが新たなERPトレンドを打ち出した形です。
今年の5月には最新バージョンVer.3.2をリリースしました。製造業、サービス業、商社・卸売業を中心に約1,400社を超える企業で導入いただいております。
2021年からは、GRANDITの統合管理機能を中小企業の皆様にもご利用いただきたいと、クラウドで再パッケージングして、クラウドERP「GRANDIT miraimil(グランディット ミライミル)」としてサービス提供を始めました。
日本企業の中で、99%以上を占めている中小企業に我々の企業理念である『ビジネスの可能性を拡げ』『企業価値を最大化』『満足していただく』を是非体験していただきたいという思いから、GRANDIT miraimilはスタートしています。
ERP技術トレンドの変遷や社会環境変化と普及
ERPパッケージは、時代ごとに変化するITインフラの影響を受けて進化し、環境変化に合わせてパッケージの形態も徐々に変化しながら成長しています。
加えて、社会環境や企業の業務課題なども影響しており、中堅・中小企業の利用も拡大していきました。
一方で、技術や社会環境も急速に早いスピードで変化しており、多くの企業は変化をビジネスチャンスに変えて、自社の競争優位性を確立していくという対応を進めています。
企業は経営環境の変化にどのように対応すればよいのか?
ここ10年程で、企業が取り組む必要があると言われているものを、いくつか紹介します。
1点目は少子高齢化や労働人口の減少に対して、企業の取り組みとして、従来の設備の維持・更新から情報化への対応、省力化・合理化、生産性向上といった取り組みへとシフトしていく点です。
2点目は、デジタル化やAI技術への対応です。AIが知識を獲得し、その知識を自然言語処理で一般ユーザーが対話型で利用できるようになり、普及が進むと言われています。
3点目は、環境問題への取り組みです。より一層、環境問題に対する取り組みへの関心は高まっていくと思います。企業も取り組み姿勢を開示していくことが求められており、市場や取引先、従業員などに大きく注目されているのです。
企業の経営環境変化に対応するERPの本質とは?
ERPの本質は、従来分断されていた業務プロセスやマスタデータを統合して、業務の精度向上、生産性の向上、スピードアップなどをお手伝いすることです。
ERPを使うことのメリットとして、1点目はマスタの一元管理が挙げられます。企業には、勘定科目や取引先、商品など、さまざまなマスタデータがありますが、それらが一元管理されており、システムごとにマスタ入力する必要がなく、マスタの更新漏れ、マスタデータ間の不整合などによって業務データを間違ってしまう心配がありません。
2点目は、取引データが全体で連動していることです。ERPは上流の業務で入力されたデータを次の業務で引き継ぎながら情報を追加して使っていきます。毎回二重入力すると、入力のミスが起こりますが、そういった心配がありません。
そして、ERPは販売や調達といったモジュールから、会計データを自動的に生成、自動仕訳して、連携するようなコンセプトで作られているので、会計担当社員は多様な伝票を入力する必要がなく、入力ミスも起きません。
また、仕訳データが完全連動しているので、経理が売上伝票を確認するときに、ドリルスル―が可能でチェックも容易です。
ペーパーレス化の実現
最新のERPパッケージにおいて、帳票は紙でも出せますが、PDFといった電子データの形で出力することもできます。
ワークフローの機能を内蔵していると、申請をERPの中で全て電子的にネット処理できるため、紙+手作業を徹底的に排除。電子承認で、内部統制にも役立てることができます。また、電子データを取引先に送ることで、取引先のデジタル化にも貢献します。
持続可能な社会に向けてERPが果たすべき役割
ERPは企業の基本的なデータ全てを管理するため、うまく活用すれば紙の削減やエネルギー使用量の把握などに利用いただけると考えています。
ERPはデータマートといった形で企業用データ全てを分析用データとして管理しています。これを使って企業の情報を様々な角度でリアルタイムに可視化していくことで、企業活動の把握に役立てられます。
SDGsで求められる様々な指標を把握することに、ERPが管理する企業データが役立つでしょう。
ERPとAIの融合
人間の処理能力を超えるAIへの期待が高まっていますが、AIに学習させるための学習データの収集も大きな課題です。ERPに蓄積されている「企業情報」をAIに学習させることでAIとERPが融合。次世代のERPが経営判断や業務処理を今よりも強力にサポートすると期待されます。
進化系ERP「GRANDIT」、クラウドERP「GRANDIT miraimil」最新情報のご紹介
我々は、コンサルタントやBPOのサービス事業者と協業して、伴走型の支援サービスを提供しています。
中小企業の方は、専門家の支援が受けづらい、労働力不足などが深刻化していると思いますが、そういったお客様の課題をできるだけお手伝いしたいという思いから立ち上げました。
現在ご提供しているのは、業務的なBPOサービス、ERPのシステム導入などを支援するPMO支援サービス、そして個別の課題解決支援ということで、在庫の最適化やコスト削減などをお手伝いするサービスを立ち上げました。今後、こういった支援の内容も随時拡大していきます。
GRANDITとmiraimilのUI刷新
画面の視認性や操作性、わかり易さを向上させるために主要画面の画面デザインを刷新します。
「視認性」や「操作性」向上を狙い、ERP使用頻度の低い方のために、押し間違えなどを低減させる画面構成で、ストレスを低減します。
GRANDIT miraimil、新たに「製造業向け」サービス展開を開始
製造業向けのクラウドERPは難しいと言われていましたが、GRANDIT miraimilとクラウド生産管理「UM SaaS Cloud」を密連携させて、使っていただける形にしました。
さまざまな生産形態・生産方式にも対応します。加工・プロセス・組立などの生産形態や、個別受注生産、受注生産、見込み受注生産、見込み生産などの生産方式が違う場合もハイブリッドに対応しており、製造業務は現場に合わせた各種カスタマイズも可能です。
また、多様な実績入力方法をご用意しました。スマートフォン、タブレット、RFID、バーコード、計量器、IoT連携などに対応します。
GRANDIT+GRANDIT miraimilによるグループ展開モデル
アドオンが不要という企業にはGRANDIT miraimilを提供。カスタマイズやアドオンが必要という企業にはGRANDITを提供します。GRANDITとクラウド型のGRANDIT miraimilを組み合わせ、グループとして統合することで、全体のコストを最小化することが可能です。
電子帳簿保存法(電帳法)対応のソリューション
電子帳簿保存法は、一定の要件を満たせば、電子データによる保存を許可するものです。上手く使うと、帳票管理や経理業務の効率化、DX推進など、多くのメリットがあります。GRANDITとmiraimilは、電子帳簿保存法のJIIMA認証を取得しているので、安心してご利用いただけます。
また、GRANDIT miraimilは2023年度のIT導入補助金対象ツールに認定されました。
デジタル化基盤導入枠で申請が可能で、採択された場合、最大350万円の補助金を活用したシステム投資が可能です。
今回ご紹介しきれなかった中小企業のERP活用に役立つビジネスコラムや業界ニュースなど様々なコンテンツをGRANDIT miraimilのポータルサイトに掲載しています。そして「GRANDIT miraimil」を体験していただくためのトライアル環境をご用意しています。今後も連携サービスやイベント情報など、幅広く情報発信していきますので、ぜひご覧ください。
GRANDIT miraimilのポータルサイトはこちら:www.miraimil.jp
【DAY1】業種別に事例で解説します!
業務の「質」を高めるデジタル化ソリューションとは ~製造業編~
(株式会社システムインテグレータ)
ERP事業部 本社営業部
小川 晴也 氏
本セッションでは、統合型ERP「GRANDIT」の導入事例を製造業向けに紹介しました。システム検討時によく出る課題の解決策や最新手法のほか、業務の質がどのように向上したのかを解説しました。
① BOM管理
個別生産【事例】
-
課題
ストラクチャー型BOMの仕組みを使用して手配管理を行っていました。出図されるタイミングで都度、BOM登録を行うために手配業務の負荷が非常に高い状態。仕様変更が起こるとシステム外で管理するケースもありました。 -
実現手段
GRANDITの製番別手配機能を活用し、CADから出図された部表を都度、取込み、手配業務の共通化・平準化を実現。
- 構成内容を俯瞰できる製番別手配
- 手配明細が多い場合は費目単位に製番を登録して管理
特注品生産【事例】
-
課題
製品の組み合わせパターンが複数存在し、BOM登録が難しく、システム外で管理。
部材手配処理も煩雑になり、欠品を防ぐために部材在庫が過剰になることもありました。 -
実現手段
パラメトリックBOM管理を採用し、品目毎に組合せパターンを統合管理し、オーダーの仕様に基づき、BOMを自動生成させることでBOM管理と手配業務の効率化を実現しました。
- 製番登録(顧客仕様情報)
- Asprova側でBOM生成、システム側で所要量計算し手配処理
② 計画管理
PSIによる生産計画【事例】
-
課題
月次ベースの計画を基に生産を行っているが、計画変更による欠品・過剰在庫の問題が生じていた。また特急品に関する計画変更や顧客への納期回答に多大な時間を要していました。 -
実現手段
PSIによる計画立案をシステム化し、月次⇒週次⇒日次ベースで生産計画の確認・変更を柔軟に行えるようになり、計画立案作業の標準化・平準化を実現。
現場の負荷を考慮した特急品の納期確認・回答をスムーズに行えるようになり、客先サービス向上が図れました。- PSI表を使った計画の可視化・共有
- オーダー間の「紐付け」情報から納期確認・納期回答
③ 手配管理(製造計画)
現場資源を考慮した手配計画【事例】
-
課題
現場の設備の能力や工員のシフトを考慮した作業計画の立案に時間を要していました。
また突然の欠勤などを加味して要員計画が過剰になり、生産性向上の足枷になっていました。 -
実現手段
能力所要量計算を行い、資源(設備・工員)の能力を加味した作業計画を自動立案させ、付加状況や要員計画表を確認しながら、調整を行うことで手配のバラツキ抑制・生産性向上のPDCAを行える仕組みを実現。- 能力所要量計算による作業計画立案
④ 在庫管理
実績反映スピード向上による精度の高い在庫管理【事例】
-
課題
現場からの製造実績報告がタイムリーに行われず、工程の可視化ができていませんでした。また在庫受払の反映が遅れ、適切な在庫管理や実態に沿った所要量計算ができず、部材の欠品や過剰在庫に悩まされていました。 -
実現手段
タブレットを活用して製造実績報告を行うことでタイムリーに作業進捗・在庫受払の情報を共有化でき、支給品も含めたリアルタイムな在庫管理を実現し、所要量計算の精度が向上した。- スマートデバイスからリアルタイムに入荷処理
- バーコードやQRコードからリアルタイムに作業実績報告
⑤ 保守管理
保守契約の統合管理【事例】
-
課題
据付設置した機器に関して、保守契約を締結し、保守点検を行っているが、件数が多く管理が煩雑になっていました。
また、点検計画立案・段取り作業に関しても負荷が高く、属人的な管理を行っていました。 -
実現手段
GRANDITの契約台帳機能である定期契約台帳を活用することで、受注・発注~売上・仕入れ~請求・支払までシームレスな管理が可能。本事例では、保守契約の一元管理、保守点検の計画・実施に基づく売上をシステムで統合化を実現しました。- 定期台帳登録。登録された内容に基づき、見積伝票や受注伝票を自動作成
当社では日本の製造業様へ、業務の質を高めるために必要なデジタル化ソリューションを提供いたします。
https://products.sint.co.jp/granditでは、今回ご紹介したソリューションや事例などを掲載しておりますので是非ご覧ください。
【DAY1】ERPで生産管理を実現!現場と経営がつながるオールクラウド
(株式会社シナプスイノベーション)
マーケティング部
桑野 未緒 氏
本セッションでは、株式会社シナプスイノベーションの提供する製造業向け クラウド生産管理システム「UM SaaS Cloud」について紹介がありました。オンプレミスとクラウドの違い、クラウドの優位性などの事例をもとに解説しました。
UM SaaS Cloud 概要
UM SaaS Cloudは、UM工程進捗をベースに、必要なオプションを組み合わせて利用することが可能です。
- UM実際原価:実績データをもとに、実績原価と実際原価を比較可能
- UMガント:作成した生産計画をガント形式で確認可能
- UM生産計画AI:AIで生産計画を様々な基準において最適化
などを選択可能。
●GRANDIT miraimilとの密連携によりクラウドERPを実現
GRANDIT miraimilから受け取った受注情報を基に、生産計画を立て、物づくりに必要な製造指示や作業指示を作成。指示を基に製造後、実績を登録し、その情報が在庫に積み上がっていくイメージ。必要に応じて、UM SaaS Cloudで物づくりに必要な部品などの調達も行う。その情報がシームレスにGRANDIT miraimilに連携。受発注を行う管理部署と現場の製造部署がオールクラウドで情報共有できます。
UM SaaS Cloudはクラウドサービスであり、SaaSでもあります。クラウドサービスは、この4年で利用が急増しています。
業務システムをクラウド利用する主なメリットは、以下の3点です。
① 初期費用が抑えられる
② リアルタイムな情報の一元化
③ いつでも最新の環境を利用
UM SaaS Cloudの特長
● Salesforce基盤を採用
世界最大のクラウドサービスであるSalesforce基盤によって提供。ウイルスが実行できない環境を構築しています。
◆GRANDIT miraimilとの連携背景
GRANDIT miraimilはノンカスタマイズ・短納期で導入可能。製造業で活用するために連携したのがUM SaaS Cloud。Salesforce基盤を生産管理に採用し、実現しました。トランザクションはシームレスに連携可能です。
◆生産管理を行うUM工程進捗とは
最新鋭のクラウド型生産管理システムです。生産計画から所要量計算、進捗や原価にわたる幅広いものづくり情報を総合的に管理します。
◆UM生産計画AI(オプション)
UM生産計画AIにより、最適な生産計画を自動的に作成し、最大の効果を実現します。
◆UM実際原価について(オプション)
実際原価を可視化し、PDCAサイクルを繰り返し回すことで原価率の低下を改善します。
●豊富な実績の入力方法
スマホ・タブレット、ハンディターミナル、IoT連携、紙(OCR)など、工場のリアルな現場の利用形態に合わせて実績の登録方法を選択可能です。
●Salesforce基盤の強み
UM SaaS Cloudでは下記機能を搭載しており、お客様で設定が可能です。
- 入力項目の追加・レイアウト設定
- 承認フローの設定
- 自動通知設定
- 内部監査対応機能
- アカウントの権限設定
- レポート作成機能
この他にリストビュー機能・履歴変更の通知・海外言語対応の機能もあります。
UM SaaS Cloudの導入メリット
●現場とリアルタイムにつながる
生産計画における予実を現場の状況にもとづいて正確に管理が可能となります。
●ものづくり情報の一元化
生産計画から実績入力だけでなく在庫や進捗の管理までトータルで完結できます。
●多彩な標準機能
導入後もノーコードで、お客様ご自身の使いやすい形で運用が可能です。
●Salesforce基盤の強力なセキュリティ
外部からの脅威の影響を受けず、安心して使い続けることができます。
https://www.umsaascloud.jp/では、今回ご紹介したクラウド生産管理システム「UM SaaS Cloud」の詳細や事例などを掲載しておりますので是非ご覧ください。
【DAY1】プロセス製造業の企業力強化に効く生産業務のデジタル活用とは/文書・帳票の電子配信事例
(日鉄日立システムソリューションズ株式会社)
DXソリューション事業本部 産業流通ソリューション事業部 GRANDITソリューション部
小林 慶輔 氏
製造業において高まっているデジタル化・DX推進の背景と企業力を強化するデジタル活用方法について、日鉄日立システムソリューションズのオリジナルテンプレート「プロセス製造業向け生産管理テンプレート」と「帳票テンプレート」の紹介がありました。
プロセス製造業向け生産テンプレートの紹介
GRANDITに対応するプロセス製造業向けのオリジナルテンプレートです。
適用可能な業種、業態
- 原材料と精製品がN対Nになる商品を取り扱う製造業
- 柔軟な配合表管理が求められる生産形態
- 取扱単位やパターンが多様で複雑な商品を製造販売する業種
●テンプレートの位置づけ
GRANDITの販売や購買モジュールと密接に関わり、注文⇒受注の入力⇒数量決定⇒生産計画⇒製造指図入力。その際に配合表(BOM)を参照して呼び出すことが可能。複数の配合表を設定しておき、管理することができます。
また、製造指図は製造後に、実績の計上ができます。
得意先からの注文、製造、仕入れなどは、ロット・トレースという機能を提供しています。
Pointは4つあり、以下の通りとなります。
Point1.「複数規格・複数数量」への対応
- 同一品種で複数の規格を取り扱うケースに対応。事前に登録されていない規格コードについても、受発注入力時にマスタに登録することが可能
- 同一品種で任意3種類の数量単位を取り扱うことが可能
- 在庫評価単位は重量単位、デリバリ単位は本数単位など、業務別管理単位を保持することが可能
- 3種類の管理単位のどの項目からでも入力可能で、他2管理単位への自動換算が可能
- 受注入力だけではなく、発注業務(仕入先/外注先)や出荷指示にも対応
Point2.「配合業」への対応
- 配合(%)では表せない外数や重量(kg)でも扱うことが可能
- 製造品と原材料の他に、工程、設備、検査などの作業も管理を実現。投入時の設備割合を持たせることも可能
Point3.「帳合」への対応
- 一次店や二次店以降の需要家別の集計管理が可能
- 得意先別単価マスタ・仕入先別単価マスタでは納入先別の単価設定が可能
Point4.「ロット・トレース」への対応
- クレーム対象の伝票番号や、ロット番号より、使われている材料や中間品の受払がドリルダウンで解る仕組みの提供
- 発注、製造、受注、出荷の各明細データにロット番号を保持することにより、①クレーム発生時の発生要因の長さ②不良品検出時の影響範囲調査を実現
プロセス製造業向け生産テンプレートの事例
- 生産計画変更やシミュレーションに対応するスケジューラ「JoyScheduler」と連携。
- 受注情報や、生産テンプレートで作成する製造指図情報を連携し、JoyScheduler側での生産計画立案を実施。
- BOMや在庫情報なども連携し、所要量計算なども可能。
●優先順位計画、最適計画
JoySchedulerで優先順位の計画を立てると、最適な製造計画を自動的に提示。
●ガントチャートで計画編集
ガントチャート形式で参照しながら、割付された計画データを編集することも可能。
●GRANDITとの連携
GRANDITとJoyScheduler間で、工程をはじめとする生産情報を連携可能。
続いて、帳票テンプレートのご紹介です。
GRANDIT帳票テンプレート全体概要
GRANDITから出力した帳票データCSVと帳票デザイナーで開発した定義を元に帳票イメージを生成し、プリンタへの印刷やPDFを出力することができます。
- 帳票テンプレにて提供したGRANDIT帳票レイアウトを含む
- Excel出力は開発ベンダー様にて個別対応が必要(帳票テンプレでの標準提供は今後エンハンス予定)
- 特別な業種を問わずに利用が可能
GRANDIT帳票テンプレートPaplesReportsデザイナーの説明(クライアント)
●帳票の作成画面がGUIで、ノンプログラミングで作成可能
PaplesReportsデザイナーは、帳票レイアウトの作成からテスト実行によるプレビュー確認までを行うことが可能なデザインツールです。罫線などのオブジェクトのほか、帳票上に表示するデータ項目をドラッグ&ドロップで簡単に配置できます。
シンプルな帳票以外にも、画像・バーコード・関数等を利用した帳票レイアウト作成や条件式による細かなページ制御も可能です。
この機会に生産管理方法や帳票レイアウトの作成について見直ししてみませんか。https://grandit.nhs.co.jp/では、様々なお客様の悩みに対応したソリューションや事例などをご紹介していますのでご覧ください。
【DAY2】【基調講演】生成AIの最新動向とマイクロソフトのAIおよびサステナビリティへの取り組み
(日本マイクロソフト株式会社)
クラウド&AIソリューション事業本部 インテリジェントクラウド統括本部 Azure営業第二本部長
窪田 正典 氏
生成AIに関する最新動向と、Microsoft社が生成AIの利用においてお客様をどのように支援しているのか、また持続可能な未来への道筋として、サステナビリティへの各種取り組みについて、日本マイクロソフト株式会社の窪田正典氏から基調講演がありました。
ChatGPTの衝撃
ChatGPTの特徴は、歴史的なテクノロジーシフトです。1億ユーザーに到達するまでの期間は2ヵ月と、これほど早く世の中に取り入れられた例はこれまでありませんでした。
●ChatGPTとは何か?
- 米OpenAI社が2022年11月に公開したチャットボット
- 人間の言葉に対し、AIが答えを返すことで対話することが可能
- ペンシルベニア大経営学修士課程(MBA)の最終試験で合格点
- 米国医師免許試験ではほぼ合格点に到達
- さらにGPT-4では司法試験の上位10%で合格ラインに達した
これまでのAIは、1つのAIで1つのことをするのが一般的でした。それに対して、生成AI(Generative AI)は、画像生成やテキスト生成のように「0から1を生み出す(ように見える)」のが特徴です。
GPTとは
- 「Generative Pretrained Transformer」
- 事前学習済み「大規模自然言語モデル」(Large Language Models:LLM)
- 大量のテキストデータを事前学習し、多様なユースケースに対応(GPT-3では1,750億個、GPT-3.5では3,550億個のパラメータ)
入力されたテキストから、最も確率が高いと推論される文字列を生成します。
- 例:「日本 の 首都 は」とGPTに指示を出すと、「東京」と返します。
特徴的な点としては、答えを探して返しているわけではなく、これまで学習した中から最も確率が高いとAIが判断して返している点。事実として正しいかどうかではなく、出現確率に基づいて出しているというのが、原則的な考え方です。
OpenAIとは
- 概要:AI研究および展開を推進する企業。2015年に設立
- Vision:人工一般知能(AGI:Artificial General Intelligence)が人類に利益をもたらすようにする
- サービス:チャットAIのChatGPT、画像生成AIのDALL・Eモデルなどの無料/有料の一般ユーザー向けの提供サービスを展開。開発したAIモデルのAPIも提供
Microsoft社はOpenAI社と長きにわたりパートナーシップを結んでいます。Microsoft社のミッションと、OpenAI社のビジョンが極めて密接に結びつくものであり、長期に世の中に対して貢献していこうと合意したものです。
Microsoft社はOpenAI社に技術基盤を提供し、OpenAI社はMicrosoft社が唯一のパブリッククラウドの会社であり、OpenAI社の技術を使ったサービスを提供できる会社として認め、相互関係を結んでいます。
生成AIの驚くべき能力
生成AIが可能にしたタスクには、
- 思考の壁打ち
- アイデア創出
- 画像作成
- コード作成
- 問題作成
- 添削/評価
- インサイト抽出
- 記述アシスタント
- 情報検索
などがあります。
GPTが突破した壁は、以下の通りです。
- コンピュータに心理的ハードル ⇒ 誰でも使える。ナチュラルな会話
- カスタマイズに時間を要した ⇒ 対応の速さ。文脈を理解しその場でカスタマイズ
- 1タスク1モデル、日本語への対応遅れ ⇒ 高い汎用性。ユニバーサルなモデル
ChatGPTは「嘘をつく」?
GPTは確率に基づく言語生成モデルであり、確率の高い言葉を選び続けます。
つまり、「正答」ではなく「確率」なのです。
生成AIの価値と制約を正しく理解し、どう使うかは人が判断しなければいけません。
ビジネスにおける生成AIの活用状況
全世界で11,000社以上が生成AIを利用しています。日本でも広がっており、既に560社以上が生成AIを採用しています。
●AIの導入に向けて、Microsoft社が提供しているサービスについて
- Copilotによる生産性の向上
- お客様のAI基盤の構築
- ビジネスとデータの保護
といったサービス提供をしています。
Microsoft社が調査したところ、AIに対して従業員が抱いている印象としては、「AIに仕事を奪われるのが不安」という声が49%ありました。
一方で、自らの業務に対して、64%の従業員が「時間とエネルギーの確保に苦慮」と答えており、70%が「できるだけ多くの仕事をAIに任せたい」と回答、また79%の求人がGPTに言及しています。
Microsoft社のアプローチは、「We are your “Copilot”」です。
パイロットは人。パイロットはお客様。Microsoft社のAIは副操縦士としてあらゆるビジネスをサポートする、という位置づけです。
様々な分野でCopilotを実現すべくサービスを提供しています。
例えば、
- ソフトウエア開発者
- 市民開発者
- ナレッジワーカー
- 業務部門
- セキュリティ運用
- インダストリー
などを対象としており、既にあらゆる業界でCopilotによる生産性の向上に効果が出ています。
●Microsoft365 Copilotの事例
「イベントの企画書を作りたい」とAIに指示を出すと、企画書のテンプレートを自動作成します。出来たものに対して「役割分担を追加してくれ」と指示を出すと、AIが生成し直して、役割分担まで返してくれます。
●CARMAXの事例
45,000の車の在庫、100,000件のお客様レビューがあり、購入希望者への適切な情報提供、検索エンジンのランキング向上のため、レビューに基づく簡潔で効果的な要約が必要でした。
手作業では11年かかるレビューの要約作業をAzure OpenAI Serviceにより数カ月で完了。顧客の生の声に基づくレビューを提供でき効果的でした。また、後継機種など新しいバージョンで利用できる機能もAIにより実装しました。
●Instacartの事例
レシピのページから必要な材料を検索すると、家にない材料だけを提示します。購入したい場合は、登録済みの通販サイトにおいて、自動でカートに商品を追加するので、非常に簡単に商品を購入できます。
責任あるAIの原則とデータ保護
Microsoft社のガイドラインでは、「お客様のデータはお客様のもの。お客様のデータはAIモデルのトレーニングには利用されません。データは高度なコンプライアンス、セキュリティ制御によって保護されます」と定めています。
生成AIを安心に使い始めていただくために、Microsoft社が推奨するAzure OpenAI Serviceの活用シナリオ・サンプル構成を作り、既に45社のパートナーが賛同表明、対応ソリューションを発表しています。
より持続可能な未来を共に築く
サステナビリティへの取り組み
Microsoft社は、何十年にもわたって行動しており、2020年から、「もっと大きなことをしなければならない」という判断で、大胆な目標を掲げて活動しています。
●Microsoft社のコアな環境サステナビリティへの取り組み
- 2030年までにカーボンネガティブ
- 2030年までにウォーターポジティブ
- 2030年までに廃棄物ゼロ
- プラネタリーコンピューターの構築
●マイクロソフト クラウドへの移行による二酸化炭素排出量の削減
オンプレミスのデータセンター運用をマイクロソフトクラウドに移行することで、カーボンフットプリントを最大98%削減可能です。
将来のデータセンターは、エネルギー、水、廃棄物を節約します。また、スマートビルディングにより電力と水の消費量削減を実現します。
本日のまとめ
生成AIの流行は一過性のものではなく、ビジネスを大きく変えていくと考えています。これまでお話しした事例のように、早く取り入れる企業ほど競争優位性を高めています。また、これらを実現するために、AIのためのクラウドサービスが展開されており、エコシステムが世の中に広がっているのです。
これらの多岐にわたる取り組みにおいて、クラウドを活用することにより、持続可能な未来の実現に貢献できるのではないでしょうか。
【DAY2】貿易書類特化型AI-OCRサービスのご紹介~商社事例に学ぶ、貿易実務のデジタル変革~
(日商エレクトロニクス株式会社)
アプリケーション事業本部 アプリケーション事業推進部 副部長
木村 悦治 氏
商社業務・貿易業務に精通した日商エレクトロニクス株式会社から、貿易書類から取り出したデータで、貿易実務をどうデジタル変革できるか、事例を含めて紹介がありました。
貿易実務の課題(例)
- 発注した商品が予定通りに船積みされたか?チェックとシステム入力が大変(輸入)
- 輸出書類の作成に時間がかかる
- 様々なプレイヤーからくる書類のチェック・入力・書類作成の繰り返し
貿易実務を担う、組織・体制・経営の課題
- 貿易の業界=労働集約型産業であり、アナログ業務における担当者の課題が経営課題に繋がっている
- トレーディング業務に半分以上のリソースを必要としており、事業投資や新規事業へリソースをシフトできていない
- 貿易DXプラットフォームが出現するも、今すぐ全てをデジタル化し一切紙をなくすのはハードルが高く、活用がはじまらない
データがあれば、貿易実務を今すぐデジタル変革できる
●課題:発注商品が予定通り船積みされたか?チェックとシステム入力が大変(輸入)
書類の記載内容をデータ化すると、複数書類を並べて目検チェックしていた業務も、データtoデータでシステム的に自動チェックさせることができます。
卸売業C社様 導入事例
導入背景
- 導入済みのAI-OCR製品で内製化を目指すも、貿易書類との相性の悪さから断念。貿易書類と相性が良いAI-OCR製品を検討するとともに、人手がかかっている照合業務の自動化を実現したい。
- 照合業務は、商品・サプライヤー・取引国等によって照合項目・方式がバラバラ、照合元として複数社内システムを参照する必要がある等複雑な状況。
業務概要
- 海外売り主から受領する貿易書類をAI-OCRでデータ化
- 書類から取り出した取引データをEXCELピポットTBLで比較できるように自動生成。書類間の項目整合性チェックや契約情報との整合性チェックを実施
- 照合NGのデータのみチェックし、確認後のデータは社内システムにRPAを使い自動で連携
●課題:輸入書類の作成に時間がかかる
自社システム、銀行からのL/C、倉庫会社からの梱包明細など書類をデータ化し、EXCELシートに貼り付け。シート上の輸出書類フォーマットにデータ連携し、自動的に輸出書類を作成。いちいちデータ入力して、書類作成する必要はない。
●課題:様々なプレイヤーからくる書類のチェック・入力・書類作成の繰り返し
出合取引で何度も発生する、書類入力からチェック・入力・書類作成のアナログ作業をデジタル化することも可能。
貿易実務における当社実績
OCRを使った貿易書類の精度の高いデータ化。チェック業務や諸係のアライバルや許可証の情報をデータ化して、基幹システムに入れる貿易の費用のデータを作って、自動的に登録させる、などを自動化します。
これまでの当社の貿易DXへの取り組み
貿易書類AI-OCR 5年の経験で会得した、高精度な読み取り技術
⇒EXCELやRPAなど、身近なツールを活用した貿易実務のデジタル化
貿易書類特化型AI-OCRサービス Trade Hub1.0(トレードハブ)の紹介
- 様々な貿易書類に対応し、高精度にデータを読み取り、生成。取引に関わる全ての情報を、貿易取引データとして構造化
- 貿易特有の照合チェックが自動実行。実務担当は、照合結果がNGのものだけを確認
- データを社内システムに自動連係、Cyber Port、NACCSへも連携
これにより、貿易実務の負荷を40%削減します。
また、次の理由により、クラウドサービスで提供しました。
- 継続的に活用頂くため、当社が全て運用・メンテナンス
- 広く活用頂くため、当社が全てOCR設定管理しコスト低減
貿易実務のデジタル化の取り組みについて考えてみては如何でしょうか。
詳細については下記まで是非お問い合わせください。
お問合せ
アプリケーション事業本部
dl-sales@nissho-ele.co.jp
【DAY2】GRANDITが豊通シスコム様にもたらした経営革新とは
(ベニックソリューション株式会社)
営業本部
青木 健太朗 氏
会計システムと販売系システムを別々に運用することで発生していた課題を、GRANDITを導入することでどのように解決に導いたのか、ベニックソリューションが事例を交えて紹介しました。
豊通シスコム様が抱えられていた問題
- 販売管理と会計管理が別システムであり、ユーザーインタフェースが統一されておらず操作性が悪かった。
- 会計管理システムのEOSが2021年4月と迫っていた。運用コストが年々高額になっていた。
- 実際原価方式を採用しており、採算や実績の把握に時間がかかっていた。原価方式の変更に伴い、パッケージと知見、経験値のあるベンダーを探していた。
GRANDITを採用した3つの理由
- 完全統合型ERP
- 迫るEOSや法改正対応や組織変更への対応
- 機能要件に対する高いFiT率
システム構成イメージ(GRANDIT導入後)
販売会計管理はもちろん、原価管理までGRANDITに集約しました。これにより、データの一元化、リアルタイム更新、ユーザーインタフェースの統一。システムとしての利便性が大幅に高まりました。
また、他システムとの連携箇所が大幅に減少し、運用の観点でもかなりシステムの軽量化を図ることができました。
プロジェクトの取り組みと評価
〇アドオンカスタマイズの極小化
GRANDITと個別原価管理アドオンモジュールの組合せにより、機能要件はミニマムマスト、必要最低限の機能開発に抑制することができました。
〇インフラ基盤にクラウドサービスを導入
AWSを導入し運用コストを大幅に低減することができました。
〇業務の運用改革を伴うためシステム稼働後の混乱を配慮
管理職/担当者を早期より参画させ、運用改革に伴う混乱が発生しないよう本番稼働前からフォローを実施しました。
〇ONE TEAMでプロジェクト遂行
原価方式の変更にあたり、当初要件からぶれないように経営推進、財務経理、導入ベンダーのベニックソリューションによる三位一体で対応しました。
〇開発標準に準拠したプロジェクト推進
PJMSに則り、QCDの基準を問題なくクリアできました。
個別原価管理アドオンモジュールの導入効果
●対策
個別原価管理の標準機能を利用し、実際原価方式から標準原価方式へ変更し、以下を対応可能としました。
- ランク別単価を設定し、毎月の単価変動を排除
- プロジェクトごとの採算のタイムリーな把握
- プロジェクトごとの採算分析
●結果
標準原価方式へ変更し、個別原価管理アドオンモジュールを利用することで、以下を実現しました。
- プロジェクト予実差違の確認、見込の登録 <プロジェクト見込登録>
- プロジェクトの採算を把握 <プロジェクト状況紹介>
- プロジェクトの分類(例:物販、サービス)別の採算の把握 <プロジェクトカテゴリ設定>
■まとめ
●販売管理と会計管理に分かれていたシステムをGRANDITに一元化
システム統一によりユーザーインタフェースが統一。データが一元化され、他システムとの連携が大幅に減少、リアルタイムでデータの確認が可能となりました。
●豊田通商グループでの会計管理システムのEOS対応を実施
EOSとなる2021年4月までに予定通りのスケジュールで切り替えを実施し、法改正対応や組織改正などに発生していた運用コストを大幅に低減しました。
●個別原価管理アドオンモジュールを利用した原価管理方式の変更
個別原価管理アドオンモジュールの標準機能にて、原価管理方式を変更し、プロジェクトごとの採算をタイムリーに把握、容易に分析が可能となりました。
また、BIに原価データを含む様々なデータの収集ができるようになりました。
今後の活用
経営の根幹となるデータ(販売、債権・債務、経理、原価)が、GRANDITのBIに蓄積されることで、GRANDITや周辺システムのデータを有効活用し、データに則した経営方針の策定に取り組んでいきます。
今回ご紹介した事例やソリューションについては、https://www.benic.co.jp/grandit/をご覧ください。当社は、多種多様な業種への導入・運用経験から、GRANDITの導入から運用・保守までをトータルにサポートいたします。
【DAY2】インボイス制度・電帳法対応から始める業務DX化の検討のポイント
(SKJ総合税理士事務所)
所長・税理士
袖山 喜久造 氏(提供:GRANDIT株式会社)
業務効率化や処理の適正性を目的としてDX化の検討を行うことが望ましいとされるインボイス制度と電帳法。業務処理のDX化に向けた検討のポイントについて、法令要件と共に解説しました。
電子帳簿保存法の対応の範囲
法人税法上で保存が必要な帳簿や書類は、税法上は書面での保存が原則となりますが、電帳法の規定によりデータで保存することができます。書面(紙)の状態で保存しておけば税法上は問題はありませんが、今後デジタル化、DX化を検討するにあたっては、帳簿や書類の種類に応じて電子化することができるため、段階的に電子化の検討を行う必要があります。
一方、データで取引情報を授受する電子取引は、電帳法の規定でデータの保存が義務付けられています。
電帳法の改正前は、電子取引データを紙に出力し整理保存すればデータの保存は必要ありませんでしたが、令和6年1月1日以降の電子取引は、出力書面による保存は廃止され、原則データで保存をしなければなりません。
令和5年(2023)10月からインボイス制度が開始されています。インボイス制度では、インボイスの発行者側に適格請求書の控えの保存が義務付けられます。また、インボイスの受領者側、特に消費税の納税義務者は、消費税の申告において、仕入税額控除を行う場合には、帳簿や適格請求書(インボイス)の保存が要件とされています。
発行者側は、インボイスを紙で発行した場合、作成されたデータを保存することで、紙の控えの保存に代えることができます。
インボイスをデータで発行した場合、電子取引になるので、データで保存することが原則です。電子帳簿保存法の令和5年度改正で、電帳法の法令対応ができない場合には、当該書面とデータを保存することで対応も可能です。
受領者側では、帳簿への所要事項の記載とその帳簿の保存、インボイスの保存が仕入税額控除の要件となっています。
帳簿は、消費税法で規定される所要事項が記載されていることが、仕入税額控除の要件になります。帳簿は紙で保存することが原則ですが、電帳法4条1項の規定でデータで保存することもできます。
紙で受領したインボイスは、紙で保存が原則ですが、データで保存する場合は、電帳法4条3項の規定によりスキャニングや撮影をしてそのデータを保存することができます。
データでインボイスを受領した場合、電帳法7条の規定の電子取引に該当し、データで保存することになります。
ただ、消費税法では、インボイスをデータで受領した場合、紙で保存する方法も認めています。電帳法では、それでは書類の保存がないことになり、齟齬が生じているため、電帳法対応としてデータ保存の検討が必要です。
電子帳簿保存法の対応手順
全てシステムで作成された帳簿のデータは、税務調査時に調査官の求めに応じて提示や提出できれば、紙の帳簿を保存に代えて電子帳簿で保存ができます。税法で定められる一定の帳簿を優良電子帳簿の要件を満たして保存する場合には、事前の届出によって過少申告加算税が5%軽減されます。
決算書類・取引書類は、作成されたデータが自社にある場合、紙の決算書類・取引書類の控えの保存に代えることができます。
紙で受領した書類は、電帳法4条3項の規定に従ってスキャニングや撮影でデータ保存(スキャナ保存)すれば原本を廃棄できます。
法人税や所得税の納税義務者が電子取引を行った場合、データを保存する必要があります。
令和5年度電帳法改正項目
改正の項目は3項目ありますが、「デジタル化を阻害しない電子取引データの保存方法の見直し」について説明します。
これは法令対応できない納税者のための弱者救済措置であり、電子取引データの書面による保存方法や検索要件の見直しです。
① システム対応が間に合わなかった事業者等への対応
- 現行の経過措置(令和4年度改正)は、適用期限(令和5年12月31日)で廃止。
- 相当の理由によりシステム対応ができなかった事業者等について、令和3年度改正前に行われていた出力書面による保存方法に加え、データのダウンロードの求めに応じることができる場合、真実性の確保及び検索機能の確保要件を不要とする。
② 検索機能の確保要件の見直し
- 売上高5千万円以下の事業者について、電子取引データのダウンロードの求めへの対応を前提として検索機能の確保要件を不要とする。
- 電子取引データを出力書面により保存している場合、電子取引データのダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、検索機能の確保要件は不要。
令和5年度改正後の電子取引データの保存方法のパターン
5つのパターンを提示しました。
5番目の、電帳法で規定する全ての要件を満たして電子出力データを保存するパターンの場合は、ダウンロードの求めに応じる必要はなく、調査官が保存されている電子取引データを抽出することになるので、日付金額範囲指定、2項目以上の組合せ検索ができる必要があります。
自社でどのような電子取引が行われているか洗い出し、保存方法を検討して、どのパターンで保存するか検討しましょう。
紙とデータで両方保存するパターンだと手間がかかるため、4番目か5番目のパターンで検討するのがよいでしょう。
電子取引データの保存要件(令和5年度 改正後)
① 保存場所:納税地
② 保存期間:7年間
③ 真実性確保要件(措置):
以下の1号~4号のいずれかの措置を行うこと(電子取引の保存単位ごとに選択する)
- 1号 送信者側でタイムスタンプ付与・送受信者側で検証機能が必要
- 2号 データの授受後67日以内にタイムスタンプを付与・送受信者側で検証機能が必要
- 3号 訂正削除不可(又は訂正削除履歴保存)システムでデータを授受及び保存すること
- 4号 正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理規程を備付け・運用すること
④ 可読性確保要件:
- 関係書類の備付け
- 見読性の確保
- 検索機能の確保
真実性の確保要件は、ほとんどの会社で4号の対応になるため、社内規程を整備して運用する必要があります。
業務DX化の検討のポイント
STEP1:IT化・デジタル化【デジタイゼーション】
STEP2;個別業務のDX化・業務効率化・ガバナンス強化【デジタライゼーション】
STEP3:会社全体の業務のDX化・業務変革・新たなビジネス創出・ガバナンス強化【DX】
DX化の検討のポイントは、
- 業務処理の電子化
- 証憑保存の電子化
- 取引書類の授受方法を電子化
です。
1.業務処理の電子化
受領した領収書や請求書の仕訳処理・支払処理をデジタル化するには、データで審査や承認処理ができるようなワークフローシステムの導入が必要。AIやOCRを使って業務効率化を図ります。
2.証憑保存の電子化
発行・受領する証憑類をデータで保存する場合には電帳法の法令に対応する必要があります。効率性が高まり、管理が行き届く保存の仕方を検討し、電子取引データの保存要件やスキャナ保存の要件を満たしたシステムを利用します。
3.取引書類授受の電子化
データの送信方法、データ形式を検討します。
これには、クラウドの活用が有効です。
クラウドを活用した適格請求書授受とDXの検討
ポイントは以下の通りです。
- 授受するデータを全て保存でき、電帳法対応ができていること
- 保存期間中クラウド保存する
- 取引データの入力や処理において、DX化が可能か、送受信データを活用した業務が行えるか
中小企業の電子化では、Peppol(Pan European Public Procurement Online:請求書(インボイス)などの電子文書をネットワーク上でやり取りするための規格)データの活用がDX化の大きな役割となります。
取引書類のデータによる一元管理
紙で受領した請求書を紙で保存し、データで受領した請求書をデータ保存すると、一元管理ができないため、今後はデータによる一元管理が必要です。
DX化のポイントは、
① 業務処理はワークフローシステム
② 証憑保存は電帳法対応文書管理
③ 会計システム自動連携
請求書の前の業務処理は、見積、発注、納品、検収も電子化を進めます。
その際、同じワークフローを使って関連付けると、書類は取引単位で管理できるようになります。また、前プロセスの書類を参照・確認できるため、ガバナンスも高まります。
【DAY3】【基調講演】企業の競争力を高めるダイバーシティ戦略
~経営視点で考える女性リーダー育成~
(株式会社キャリエーラ)
代表取締役 キャリアアドバイザー、ダイバーシティコンサルタント
藤井 佐和子 氏
女性管理職を増やすメリット、育成の進め方、活躍しやすい環境づくりなど、具体的な方法について、株式会社キャリエーラの代表取締役である藤井佐和子氏から基調講演がありました。
経営課題としてのダイバーシティ推進
D&Iに取り組む理由は、大きく3つ、
- 人権問題
- イノベーション
- 人材不足の解消
です。
イノベーションを起こすということは、多様な人材の活躍で、組織存続と発展のための将来の課題解決につなげることです。特に女性管理職含め、多様な管理職がいることで、多様な社員を多面的に評価し、活躍につなげることが可能になります。
世界経済フォーラム(WEF)による男女格差の度合いを示す指数において、日本は、146カ国中125位です。
順位は2006年80位の公表開始以来、最低でした。指数は、医療、教育、政治、経済の4指標。分野別にみると、政治が世界最低クラスの138位で、男女格差が埋まっていないことが改めて示されました。健康は59位、教育は47位、経済は123位です。
経済の中で、労働参加率の男女比0.759(81位)、同一労働における男女の賃金格差0.621(75位)、推定勤労所得の男女比0.577(100位)、管理的職業従事者の男女比0.148(133位)でした。
多様性とは
多様性には2つの意味があると言われています。
① 人口統計学的多様性:性別、人種、年齢、信仰
② 認知的多様性:モノの見方考え方の異なり
では、これらの多様性がどのように組織に影響するのでしょうか。
●リーダーシップによる多様性への影響
-
多様性の高い組織
同じ状況・環境の中に様々な人がおり、それぞれモノの見方考え方が異なるので、同じ景色を見ていても、それぞれが気付くポイントや解決方法が違う。 -
画一性の高い組織
ある一か所に人々が固まっている。つまり、この人達は、モノの見方考え方が一緒または近しいということ。ある一方向の課題発見力と解決力は強いが、盲点がたくさんある。
これからの社会は、盲点をいかになくして、様々なモノを課題として見つけ、解決していかなければなりません。これが、組織発展につながると言われています。
多様性が少ないと、「盲点が増える」「ほかのモノの見方をしている人の意見が通らない」という状況があります。
これからは、画一的な見方や考え方の外にいる人達の接点を増やし、数を増やしていくことが課題です。
画一性の高い組織の特徴
●メリット
- 成長スピードを求められるフェーズで、トップの経営方針、ゴールイメージが正しければ、一丸となって結果を出しやすい。
- 話が早い。共通言語でのやりとり。
- 愛社精神が生まれやすい。
- 交換型マネジメントが可能。
●デメリット
- 多様なクライアント開拓が必要なフェーズで、新規が取りづらい。拾いきれない。
- イノベーション(異種交配)ができない。異種の組合せがないため、新しいものが生まれづらい。
- 外で優秀だった人が採用されても、画一化できない人は早期に辞めていく。
なぜ多様性が進みづらいのか?
米コロンビアビジネススクールのキャサリン・フィリップス教授による実験では、被験者を
① 他人を含めたグループ
② 友人のみのグループ(画一的グループ)
に分け、課題を与えた結果、①は正解率75%、②は正解率54%、個人で取り組んだチームは44%でした。
一人で物事を考えるより、大勢で話した方が正解率は上がる、更に、似た人達ではなく、いろいろな人達がいると正解率が上がることが分かりました。
課題解決までのプロセスでの主な感想は、以下でした。
① グループは認知的な面で大変だった。多面的な視点で様々な議論がなされ、反対意見も多く出たから。そして、正解を知るまで自信がなかった。
② グループは画一的で似た視点で同意し合うことがほとんどだったため、スムーズだった。そして、自分たちの答えにかなり自信を持っていた。
脳にストレスを与えるのを避けるため、自分以外の人を排除したくなりますが、自分と違う意見を面白がると、視界が広がります。これを意識として持つと、多様性、イノベーションが進みます。
多様性が豊な人が集まっても、影響力の高いリーダーがいると、時間の経過と共にチーム全体が支配的リーダーに意見を合わせ始めます。
そのため、リーダーの画一化をなくしていくことです。女性のリーダーを増やすことは、リーダーの画一化をなくすことにつながります。
多様な人材の採用と活躍を増やすのは、経営戦略です。
女性活躍推進、日本企業の進捗状況
Step1
一般職女性が多く、彼女たちに一つ上の仕事をしてもらいたい
Step2
女性の離職者を減らし、勤続年数を男女同数に
Step3
女性の総合職を増やす、または全員総合職
Step4
女性管理職の数を30%以上にする
Step5
女性管理職の数を半数にする
自身とメンバーの違いについて
●アンコンシャスバイアスが生まれる背景
高度経済成長期の社会の姿
- 男性(大黒柱)
- 女性(アシスタント)
今は、時代に合うあるべき姿のゴールへの過渡期と言われています。
- 個人の強みや持ち味に合わせた活躍
- 男女や国籍、学歴ではない
があるべき姿ではないでしょうか。
アンコンシャスバイアスチェックリストを提示しました。ご自分でチェックしてみてください。
無意識バイアスには次のようなものがあります。
今は、時代に合うあるべき姿のゴールへの過渡期と言われています。
- パフォーマンス・アトリビューション・バイアス…属性をもとに仕事への貢献を過少/過大判断
- マターナル・バイアス…母親や妊婦は仕事に専念できないという先入観
- ハロー効果…ある人物・事象を評価する際、目立つポイントだけを注視して偏った判断をしてしまう姿勢
女性の昇進意欲について、20~30代女性を対象にした調査によると、管理職になりたいかという問いに「推薦されればなりたい」を含めると意向は6割です。
男女の違いは、生物学的なものだけであり、それ以外の違いは、男女差ではなく個によるもの。個人差はありますが、生物学的観点から女性ならではの留意点としては、
- パフォーマンス・アトリビューション・バイアス…属性をもとに仕事への貢献を過少/過大判断
- 出産がある:産休(育休)が必要
- 体力の差:テストステロン値が低いことによる体力や自信のなさ
などがあります。
多くの女性が、自信がない、自分のことを過小評価しがちです。
自信がなくても
① それをやる自分ならではの意味付け
② 安心感
があれば、頑張れます。
これからの組織やリーダーはEQスキルが大切です。
- 受容とは無条件に相手を受け入れる
- 傾聴とは真摯に耳を傾ける
これらは、EQスキルの中で大事な素養です。
女性部下の背中を押すヒント
なぜ、「あなた」なのかを伝えた上で、他のキャリアアップもあることを元に話し合います。
話し合う際のポイントは、
- どれを選びたいか、その理由を聞く。
- 本人の描くビジョンは否定せず、上司からの期待も伝える。
- どれを選んでもキャリアアップの意識が必要であることを伝える。
●組織内のキャリアアップ 3つの方向性
① 第一次元「機能」 キャリアチェンジ 専門分野を変えていく
② 第二次元「地位」 ポジションを上げていく
③ 第三次元「中新世」 同一部署、同一地位内で仕事の中身を深く広くしていく。自己の重要性を上げていく、専門性を磨いていく
●サーバント・リーダーシップの例
リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後、相手を導く。常に他人が一番必要としているものを提供しようと努めることです。
様々なアプローチで、女性がリーダーとして活躍できるような、背中を押す方法を取ってはいかがでしょうか。
【DAY3】取引先とDXを推進し双方の効率化を実現
~ECと基幹システムを連携させる3つのメリット~
(日鉄日立システムソリューションズ株式会社)
デジタルテクノロジーー研究開発センター 副センター長
萬谷 靖夫 氏
基幹システムであるERP(GRANDIT)とECサイト連携で業務効率化を実現した内容について、日鉄日立システムソリューションから、課題解決や導入手法の紹介がありました。
EC化によるメリット
ECによるメリットは、受注コストの削減、コミュニケーションコストの削減、取引先側のコスト削減と満足度向上などが挙げられます。
EC導入の悩み…
ECを導入の際に、以下のような悩みを抱えている企業が多くいらっしゃいます。
- 人手不足は深刻だが、受注業務はメール・FAXから抜け出せないのではないか。
- 取引先に使ってもらえる見通しが立たないものに投資しづらい。
まずは、クラウドサービスを活用して小さく始め、有効な施策が見えたら本格導入することをお勧めしています。
当社は、GRANDIT+EC専用クラウドサービス「Shopify」の連携でECサイト構築することができます。
BtoCで実績の高いサービスをBtoBに活用できます。初期導入コストを抑えつつ、将来性の高いサービスを導入しEC導入メリットを拡大します。
ECを構築するには?
ECを構築するには、クラウドサービスのECモジュール利用や、ECモール参加など数パターンあります。
中でも、専用クラウドサービスによる自社専用サイトは、次の特徴があります。
- 安価
- 低~高機能
- サードパーティモジュールによる機能拡張
当社は、このパターンでShopifyを選択しました。
ShopifyとERPの連携は?
ShopifyのEC基本機能をご紹介します。
- 顧客管理
- カート機能
- 商品管理
- 注文管理
- サードパーティーアプリ
- B2B向け差別化ユーザ個別機能
更に、ERP(GRANDIT連携)のインターフェースを使って、GRANDIT ECモジュール、GRANDITを連携させます。
GRANDITとの連携概要
受注業務の自動化のため以下の連携が可能です。
- 商品・価格マスタデータ
- 在庫データ
- 注文(受注)データ
ECサイト構築事例
デモサイトを表示して以下の基本機能とサードパーティのアドオン機能について説明しました。
- バナーの設置
- キャンペーン情報の掲載
- おすすめ商品提示
- 最近チェックした商品の表示
- メルマガ登録
- カレンダーによる営業日告知 など。
進め方(導入基本工程)
要件:ビジネスデザイン(提供価値設計)、設計:サイト設計(提供方法設計)、構築:サイトカスタマイズ(販売サイト・決済)など、これらを確りやると時間がかかり、コストが肥大します。
そのため、当社では、以下をご提案しております。
【当社の提案】
EC構築⇒EC効果検証⇒GRANDIT連携構築⇒EC適用拡大 のようにEC構築を進めていくことをご提案いたします。
これにより、EC導入に対するリスクを払拭してから、EC導入メリットの享受、という2段階導入が可能となります。
段階的導入への対応
EC基本機能、サードパーティーアプリ、B2B向け機能を構築し、GRANDITと連携しなければならないマスタは手動。取引先は限定して運用します。
次にGRANDITとの連携I/F構築し、在庫・受注を自動連携し、取引先を拡大します。
https://grandit.nhs.co.jp/では、様々なお客様の悩みに対応したソリューションや事例などをご紹介していますのでご覧ください。
【DAY3】業種別に事例で解説します!業務の「質」を高めるデジタル化ソリューションとは
~工事業編~
(株式会社システムインテグレータ)
ERP事業部 本社営業部
小川 晴也 氏
株式会社システムインテグレータより、統合型ERP「GRANDIT」の工事業向け導入事例の紹介がありました。課題解決策や最新手法のほか、業務の質がどのように向上したのかを解説しました。
① 物販+工事+保守の統合化
【課題事例】
●課題
業務毎にシステムが分散化している為、システムの二重管理による業務負荷が生じていました。またシステム間のデータ連携が発生するため、リアルタイムな数値把握や実績データの集計が容易にできず、データを活用した分析が行えていませんでした。
●実現手段
GRANDITを活用し物販~工事~保守サービス業務を一元管理することで、シームレスなデータ連携・自動化による業務の効率化と見える化を実現しました。
② 案件管理
【課題事例】
●課題
受注前の営業段階での案件管理から、請求まで、システムが分散している事により一貫した管理ができていなかった。そのため、案件管理→受注案件の紐づきが確認できずデータ分析が困難、データの二重入力が発生し業務が煩雑となっていました。
●実現手段
見積(受注)情報を連携したプロスペクト(案件)管理を行う事で、案件の進捗や見通しを管理・情報共有する仕組みを実現しました。
③ 物件管理
【課題事例】
●課題
紙ベースでの原価管理を行っており、物件に紐づき日々発生する各種原価の情報を集約、集計するのに手間がかかり、原価情報を適時把握することが困難。また、システムへの入力作業に負荷がかかっていました。
●実現手段
システム統合により原価集計処理をシステム化と、材料費・外注費・労務費・経費の4要素で個別原価管理と原価比例法による工事進行基準計算に対応できる仕組みを実現しました。
④ ペーパレス化の推進
【課題事例】
●課題
Excelでの見積管理により、データ連携や入力作業の負荷が高くなっていました。システム外での承認処理によりリアルタイムな情報共有ができておらず、業務効率も低下。また、対外帳票など紙での書類管理が多く、業務の負荷が高く、属人的な管理となっていました。
●実現手段
Webを介したシステム構築により、データの入力作業から承認ワークフローの電子化を実現しました。また、電子帳簿保存法までの管理を実現し、対外帳票の電子化を推進しています。
⑤ 回収業務・支払処理の効率化
【課題事例1】
●課題
システム外で管理している回収予定情報を基に請求照合を実施していることにより、回収消込に時間がかかっていました。売掛金の手動管理により、回収状況の確認に手間がかかっていました。
●実現手段
入金データ取込による入金処理の効率化と請求書単位・請求明細(売上明細)単位での消込を行い、未回収状況を詳細に共有することで回収予定・回収実績をリアルタイムに確認できる仕組みを構築しました。
また、入金情報を基に自動的に請求データに突合・消込を行い、回収業務の効率化を実現しました。
【課題事例2】
●課題
経費・一般経費は別システムで管理をしており、処理が煩雑化していました。また、経費・一般経費を各工事案件へタイムリーな原価を反映できていませんでした。
●実現手段
一般経費・前渡金の支払など、ワークフローと連携した支払申請~支払処理~仕分連携までシームレスに管理し、販売・工事と併せた支払統合管理を実現しました。
当社では日本の工事業様へ、業務の質を高めるために必要なデジタル化ソリューションを提供いたします。
https://products.sint.co.jp/granditでは、今回ご紹介したソリューションや事例などを掲載しておりますので是非ご覧ください。
【DAY3】EC×ERP EC販売事業者様におけるERP構築
~ERPを使った挑戦的な取組み~
(パーソナル情報システム株式会社)
ERP・生鮮流通ビジネス事業部部長
金子 剛 氏 提供:GRANDIT株式会社
パーソナル情報システム株式会社から、家電のEC販売で急成長する会社へGRANDITを導入した事例を紹介しました。
ECビジネスにおける課題理解
これまで以上に、シビアな収益管理とスピーディな経営判断が必要なのですが、これまで運用してきたECシステムでは必ずしも最適な管理ができず、様々な課題が発生しています。
●情報システムの課題
- 発注済未入荷の在庫が管理できていないため機会損失をしている
- 価格競争の激化により、正しい在庫単価が把握できておらず利益損失が発生している
- 外部モールなどから送られてくる支払情報と売上明細の照合で事務処理が膨大になる
- IPOが期待されるものの、決算の精緻化・早期化ができない
既存のECシステムは事業ノウハウのかたまりなのだが、財管不一致に陥りやすく、ERPシステムの導入は必然でした。
ECビジネスにおけるERPシステム導入の難しさ
これまでのECシステムやWMSは残したいが、ノウハウを最大限活かした上で、スピードと精度の両方を追求する導入を目指します。
既存ECシステムを残しERPシステムと緊密連携。活きた経営情報を集め、スピード&精度の両方を満たすべく、ECシステムと緊密連携する先進ERPソリューションを採用しました。
●ポイント
- ECプラットフォームとWMSを分断
- GRANDITを経由してWMSにデータが送られる
- WMSからGRANDITを介してデータがもどる
緊密連携ができたおかげで、3つ(EC、WMS、GRANDIT)の仕組みが有機的に動き始めました。
●付随効果
- ECモールからGRANDITに入る受注データに脚注番号がふられ、数万件のデータに売上照合することが可能、事務処理軽減を実現。
- ECモールのクーポンに対して値引き分をECモールに請求する点も自動化。
データ連携ツールEAIに注力することで、期限内のリリースを実現!
「EC×ERP」システム特長
ERPを中核とした業務の標準化と事業の根幹である「ECシステム」との緊密な連携で今後の事業拡大や変革に対応できるシステム
ERP導入を成功させるソリューションコンセプト ―つながるERP―
- ECシステムとERPをつなぐ連携モジュール
- 柔軟なデータ連携基盤
- リアルタイム在庫の把握
- 精度の高い在庫単価の把握
- EC決済対応
- ERP導入による財管一致・全体最適
●連携モジュールについて
- ECシステムと、ERPシステムとを密結合させる連携モジュール。ECビジネスに有用な情報を、伝票ステータスの変化ごとに情報連携できる機能を搭載。
- EAI(MagicXPI)の連携トリガー、スケジューラ等の機能を活用し、リアルタイムに近いシステム連携を実現。
- リアルタイム連携を実現する柔軟なEAIシステム基盤
- 受注から出荷売上に至るまでの全てのERPシステム機能に、「受注ステータス」を更新・連携する処理を搭載。
- 受注伝票・明細レベルで「ステータス」が情報変動する都度、連携モジュールにて処理。
今回ご紹介した事例やソリューションについては、https://www.pjs.co.jp/1-2-4.htmlをご覧ください。GRANDITの導入から運用・保守までをトータルにサポートいたします。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。