化学品製造業 A社様
わずか4ヶ月という超短期間でビッグバン導入に成功。
GRANDIT標準機能にもとづくノン・カスタマイズ導入と、
業務に精通したSEの参画が成功の秘訣
企業情報
事業内容 | 合成樹脂の製造・販売 |
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資本金 | 500百万円 |
従業員数 | 200人 |
GRANDIT導入の背景
A社は、合成樹脂の製造・販売を手がけるメーカーです。A社の樹脂製品は、リサイクルがしやすい、燃やしても有毒ガスが発生しない、といった強みを持っており、エコロジーの視点からも今後ますます需要が高まっていくことが期待されています。このような追い風の中、A社は独自技術による合成樹脂製品の強化拡大を重点的に図っており、業界各社からの受託加工、各機関からの受託研究および共同研究開発においても、高い技術力が発揮されています。
A社の歴史は、30年以上前にさかのぼります。A社は、某企業グループの一員として独自の技術を開発・強化してまいりました。しかし、近年の環境変化にともない、更なる事業の成長・拡大を目指し独立、新しく現親会社とのグループ化に至りました。
それまで、A社の基幹業務システムは、旧親会社の情報システム部門により開発・運用されてきました。新体制の発足にともない、この基幹業務システムの継続利用が不可能となったため、販売・調達在庫・債権・債務・経理・人事・給与という基幹業務全般にわたって、システムを刷新する必要に迫られていました。
新体制のもと事業を再スタートさせるまでの期間は約4ヶ月。資本異動による取引先からの不安を払拭するためには、製造・販売業務が滞りなく継続していることを示す必要がありました。また、従業員に対しても、従来どおりの日程で給与支払を行うことが必達事項でした。
さらに、新規導入するシステムは今後長期にわたり安定的に利用が可能なことや、別システムとして稼動している生産管理や新たにシステム化予定の配送管理のシステムとの連動もあらかじめ考慮する必要があり、必要条件がとても多い状況でした。
このような背景のもと、短期導入が可能なERPであること、拡張性と将来性が高いこと、標準機能の業務適合度の高さなどによりGRANDITが選定され、本番稼動まで4ヶ月という短期間でビッグバン導入を行うプロジェクトが発足しました。
解決された内容
親会社の異動により、旧基幹業務システムが利用できなくなるため、4ヶ月間で新基幹業務システムを構築する必要があった。
従前: 旧親会社情報システム部門により基幹業務システムの運用・保守を行っていたため、自社独自の情報システム部門は整備されておらず、短期間での要員の確保・育成も困難な状況にありました。
GRANDIT適用後: GRANDITが提供する標準機能に合わせて業務を構築する、「ノン・カスタマイズ導入」を徹底しました。また、各業務(特に給与業務)に精通したSEを専任で配置し、ユーザ担当者と密接なコミュニケーションを取る体制で導入を行いました。この結果、4ヶ月間という、ビッグバン導入としては超短期間での導入に成功し、稼動後の業務もGRANDIT標準機能に合わせたフロー・ルールにもとづき、問題なく運用されています。これにより、親会社異動後の新体制のもと、事業が円滑に再スタートを切ることが可能となりました。
自社独自の情報システム部門が整備されておらず、親会社情報システム部門による運用・保守を行う必要があった。
従前: 旧基幹業務ソフトがクライアント/サーバ(C/S)型であったため、法改正等の際にクライアントPCに対して設定(プログラムの配信)をしなければならないというメンテナンスの煩雑さがありました。新規PC導入時も、同様です。
会社によっては、自ら作業をすることが難しく、情報システム子会社がオンサイト作業として請け負うこともしていました。そのため、スピーディーな対応も難しい状況でした。
GRANDIT適用後: 親会社異動後においても、新親会社の情報システム部門により基幹業務システムの運用・保守を行うこととなりました。ASP.NETおよびSQL ServerによるGRANDITでは、新親会社情報システム部門によるサーバ運用・保守に際してのハードルが低く、立ち上げをスムーズに行うことが可能でした。また、GRANDITは完全WEB方式を採用しているため、法改正時などにおける修正プログラム適用においても作業負荷が軽いという恩恵を受けています。自社(子会社側)では、システムを利用するPCのみを用意することで運用が可能となり、コスト削減が実現しています。
決算時の数字確定まで2週間を要していたが、親会社の異動により短縮化および四半期決算への対応を行う必要があった。
従前: 販売系システムと会計系システムが別々に稼動しており、決算時における数字確定まで2週間を要していました。また、四半期決算には対応できていませんでした。
GRANDIT適用後: ERPであるGRANDITの導入により、販売系データと会計系データがリアルタイムに連携され、決算業務の効率化が実現しました。これにより、決算確定が10日間まで短縮されました。また、四半期決算対応へのインフラが整備され、新親会社からの要望への対応も可能となりました。
基幹業務システムを統合し、業務の効率化を行う必要があった。
従前: 販売システム・会計システム・人事給与システムがそれぞれ別に稼動し連動していなかったため、仕訳データの二重入力・二重チェックが必要であり、作業に膨大な時間を要していました。
GRANDIT適用後: ERPであるGRANDITの導入と、勤怠管理システム「勤次郎」との連携により、現場で入力された伝票と経理仕訳が連動することが可能となり、確認作業に取り組み始める時間が前倒しされました。また、二重入力がなくなり、入力ミスによる数値間違いが激減しました。この結果、残業の減少による人件費の削減、決算確定までの期間短縮といった効果が実現しました。
取引先ごとに業務の流れが変わり非効率だったため、統一化・効率化を図る必要があった。
従前: 主な取引先ごとに、取引条件や売上・請求・仕入・支払のタイミングを調整していたため、取引先が変わるごとに業務の流れが変わり、業務が非効率であるばかりではなく、ミスやトラブルの原因となっていました。
GRANDIT適用後: GRANDIT標準機能に合わせて業務フロー・ルールを見直し、新規に業務を変更して対応しました。業務に精通したSEの参画と、プロジェクト責任者の全権にもとづくトップダウンでの意思決定、エンドユーザの協力などが相乗効果となり、短期間にもかかわらずスムーズな移行が実現しました。導入後においては、ミスによる取引先からの問い合わせの減少、人材育成のスピード化、業務効率化による決算早期化といった効果を出すことに成功しました。
ソリューションのイメージ図

導入期間
導入プロジェクト発足から最終モジュール稼動まで4ヶ月という、ビッグバン導入としては超短期導入を実現しました。
適用したGRANDITモジュール及び連携ソリューション
GRANDIT:販売・調達在庫・債権・債務・経理・人事・給与の各モジュール
連携ソリューション:勤怠管理システム「勤次郎」(日通システム株式会社)
パートナーが語る、導入時の工夫
事業開始後間もない会社であり、情報システム部門の体制が整わない状況でのプロジェクトスタートであったため、親会社情報システム部門に参画していただきました。その上で、システム化の全権をプロジェクト責任者に委譲し、意思決定の迅速化に努めました。
曜日ごとに打ち合わせ・作業の時間を最初に固定した上で、ユーザ企業とベンダの役割分担を明確にし、プロジェクトに関わるタスク・打ち合わせを最優先するよう徹底しました(ソリューションのイメージ図参照)。
教育および導入後のシステム運用についても、親会社情報システム部門が行い、ユーザサポートやバックアップは東京本社で行える体制となっており、パートナー企業とのコミュニケーションが密接に行われています。
短期導入方法・テンプレート等に関する同業他社様への適用
販売・調達在庫・債権・債務・経理・人事・給与を短期間でビッグバン導入を実現した事例です。プロジェクト計画、WBS等に含まれているビッグバン導入における短期導入ノウハウは、業種・業態を問わず普遍的に応用可能です。
導入費用の目安
ライセンス費用10,000千円 導入支援費用20,000千円 ハードウェア6,000千円